子どもを犯罪から守る 安全対策を地域で模索 「見守る目」増やす方策を [福岡県]

北九州市立大で開かれた「地域安全マップづくり」の指導者養成講座。学生らは同大周辺を歩き、安全箇所と危険箇所をマップにまとめた
北九州市立大で開かれた「地域安全マップづくり」の指導者養成講座。学生らは同大周辺を歩き、安全箇所と危険箇所をマップにまとめた
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女児が誘拐されそうになった小倉北区の勝山公園。市立中央図書館(左奥)も隣接している
女児が誘拐されそうになった小倉北区の勝山公園。市立中央図書館(左奥)も隣接している
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 小学生が巻き込まれる事件が相次いでいる。5月上旬には新潟市で小2女児が殺害されJRの線路に遺棄されたほか、北九州市では先日、公園で女児が誘拐されそうになった。どうすれば、子どもたちを犯罪から守ることができるのか、地域で模索が続いている。

 「草木が茂っていて見えにくい」「塀が高く、街灯もない」

 市内の小学校では、児童が校区を歩いて危ない場所を書き込む「地域安全マップづくり」が広がっている。8年ほど前、九州国際大(八幡東区)の学生らが手掛けた。市が取り組みを主催するようになった2013年度以降、36校になり、本年度は7校で実施するという。

 大学生らを指導役に、児童と保護者などが通学路などを実際に歩き、防犯に関して児童自らの意識を高めることが目的だ。

   ◇    ◇

 新潟市の事件を受け、若松署と若松区役所は5月18日、子どもの防犯対策を話し合う緊急会議を開催。小学校の校長や保護者代表、通学路のパトロールをしているボランティアなど40人ほどが参加した。

 署によると、同区内では4月1日~5月18日、小学生が知らない男に声を掛けられたり、追いかけられたりするなどの通報が4件あった。大きな事件にもつながりかねず、署は通学時間帯のパトロールを強化している。

 会議では参加者から「警察とPTAの連携強化を」「防犯カメラを増設してほしい」などの意見が出たという。

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 女児が誘拐されそうになった小倉北区の勝山公園を記者が歩いた。小倉北署に近く、市立中央図書館や区役所が隣接しているため、死角はないように感じた。しかし、専門家は別の見方をする。

 九州国際大で教壇に立ったこともあり、勝山公園をよく知る北陸大(金沢市)の山本啓一教授(地域防犯)は「周りの窓があまり公園側に向けられていない」と指摘。見通しの良さだけでなく「にぎわいづくりなど、より多くの人の目が公園内に向けられる工夫が必要」と語る。

 子どもの安全確保に万全の対策はない。一見、防犯とは関係ないように見えるものであっても地域の実情に応じた「子どもを見守る大人の目」を増やす方策を考える大切さを感じる。

=2018/06/04付 西日本新聞朝刊=

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