偉人の書に維新の志 いのちのたび博物館で「明治の群像」展 西郷隆盛や木戸孝允…12人の作品展示 [福岡県]

力強い筆致の西郷隆盛の書。右の書は西郷の怒りがにじむが、模写の可能性もあるという
力強い筆致の西郷隆盛の書。右の書は西郷の怒りがにじむが、模写の可能性もあるという
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孫文が安川敬一郎に贈ったとされる書
孫文が安川敬一郎に贈ったとされる書
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 明治元年(1868年)から150年を記念した企画展「書に見る明治の群像」が、八幡東区の北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)で開かれている。西郷隆盛(1828~77)や木戸孝允(1833~77)ら明治維新の立役者など12人の思いがこもった市所蔵の貴重な歴史資料21点が並ぶ。17日までで、入館料は大人500円など。

 会場の同館3階「ぽけっとミュージアム」に入ると、大胆な筆致の西郷の書がある。安川電機の創業発起人、安川敬一郎(1849~1934)が入手した書で、現代語に訳すと「世俗の人々が嫌がって背を向けるようなことを、英雄たる者はかえって好んで親しもうとするものだ」などになるという。

 日比野利信学芸員は「西郷の信念ともいえる英雄の条件で、福岡藩の武士だった安川が西郷を敬愛し、欲したものではないか」と推察する。その横には明治6(1873)年に朝鮮への使節派遣が中止されたことに激怒し、政府を去ったときの書が掲げられる。日比野さんは「小倉藩家老の家に伝わった書。西郷の怒りがこもった筆遣いだが、後の模写かもしれない」と解説する。

 会場には慶応2(1866)年、薩長同盟を結んだ長州藩の木戸が鹿児島に乗り込む覚悟を示した書もある。西郷に比べると流麗な筆致で「私が乗る小船は危険を避けることなく、逆風の中、薩摩に入るのである」などになるという。

 伊藤博文(1841~1909)が師の吉田松陰(1830~59)の言葉を記したという「天道是誠」(天の道は誠の一字にある)の書や、辛亥革命(1911年)を主導した中国の革命家、孫文(1866~1925)が支援者の安川に贈ったとされる「世界平和」の書なども展示。日比野さんは「ほとんどが初公開の作品です。歴史上、重要な人物たちの思いに触れながら鑑賞してほしい」と話している。

=2018/06/13付 西日本新聞朝刊=

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