戸畑の芸術家NYで平和発信 服部夏子さんが造形作品出展 [福岡県]

作品を手に笑顔を見せる服部夏子さん
作品を手に笑顔を見せる服部夏子さん
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 北九州市戸畑区出身で米ニューヨーク在住のアーティスト服部夏子さん(31)が、平和をテーマにした個性的な作品制作を続けている。主義主張をはっきりと表現する米国に住み、「平和の尊さを訴える大切さに気付いた」という服部さん。「長崎原爆の日」を迎える9日から、多くの芸術家が参加してニューヨークで開かれる原爆犠牲者追悼平和祈念式典に作品を出展する。

 高校まで戸畑区で暮らした服部さんは、筑波大で絵画を学び卒業後の2010年から米国で活動する。取り組むのは現代アートで「ソフト・スカルプチュア」と呼ばれる分野。布などの柔らかい素材を使った造形作品を指す。服部さんは、布で綿を包んだ玉を縫い合わせて作品を作る。「悲しみ、平和…。全てを包み込むような作品を作りたい」との思いからだ。

 ニューヨークの平和祈念式典は、海外で核兵器廃絶を広める「長崎平和特派員」の僧侶中垣顕実さんが1994年から開催。宗教の枠を超え、イスラム教やキリスト教関係者のほか、音楽家や芸術家らが参加する。服部さんは戦後70年の2015年から作品を出展。ニューヨークでの個展が式典関係者の目に留まり、声を掛けられた。「終戦の日」の15日まで開かれる今年の式典には、戦争被害者を悼み、天から落ちてくる涙を表現した作品など平和を願う5点を出展する。

 服部さんは、米国での生活で「主張すること」「訴え続けること」の大切さを学んだ。米国には「終戦を早めた」と、原爆投下は正しかったと主張する人もいる。長崎に投下された原爆の第1目標は小倉だった。

 「小倉に原爆が投下されていたら、私は存在していないかもしれない。米国で堂々と平和を訴え続けたい」

=2018/08/09付 西日本新聞朝刊=

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