金唐革紙復元手掛け5年目 築上町のクラブ、しおりやはがき販売 10月から企画展 [福岡県]

金唐革紙のしおり(左)とはがき
金唐革紙のしおり(左)とはがき
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錫箔を張った原紙をしめらせ、版木棒にのせてはけでたたいて打ち込む金唐クラブのメンバー
錫箔を張った原紙をしめらせ、版木棒にのせてはけでたたいて打ち込む金唐クラブのメンバー
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旧蔵内邸にある金唐革紙の複製品
旧蔵内邸にある金唐革紙の複製品
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旧蔵内邸の仏間にある金唐革紙
旧蔵内邸の仏間にある金唐革紙
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 明治から昭和初期にかけ盛んに製造された金唐革紙(きんからかわし)を復元する築上町の金唐クラブ(8人)が発足5年目を迎えた。同町の旧蔵内邸を拠点に月に1回の定例会でしおりなどのグッズや壁紙を作ったりしながら、金唐革紙を広く知ってもらい、制作技術の向上を目指している。

 金唐革紙は、江戸時代に欧州からもたらされた装飾革を和紙で模したもので、豪華な模様が特徴。旧蔵内邸の仏間には最古級の壁紙がある。朱がね色を背景に複雑な花や葉を浮かび上がらせるデザインは明治期の社交場「鹿鳴館」の壁紙とほぼ同じという。

 金唐革紙の技法を習得し、しおりやはがきに加工・販売して地域おこしに役立てたい-。地元の元美術教諭らが金唐クラブを立ち上げたのは2014年。国の選定保存技術保持者の上田尚さん(84)=東京都=から指導を受け、制作を続けている。

 工程は次の通りだ。(1)手すきのこうぞ紙と三椏(みつまた)紙をフノリで張り合わせ、原紙を作る(2)原紙にフノリで厚さ0・02ミリの錫箔(すずはく)を張り付ける(3)錫箔を張った原紙を湿らせ、版木棒にのせてはけでたたいて打ち込み、凹凸をつける(4)ワニスを塗布し、塗り重ねるごとに錫の銀色が金色に変わる(5)色彩、カシュウ油、にかわに顔料を加えたものなどで彩色して仕上げる。1畳分の金唐革紙を作るのに2週間ほどかかる手間暇のかかる作業だ。

 クラブのメンバーは素人の集まりだったが、今では旧蔵内邸でしおりやはがきを販売できるまでになった。しかし、メンバーの元中学校長の麥田(むぎた)猛美さん(65)は「満足できる領域にはまだ達していない」と、口にする。金唐クラブは現在、月1回の定例会(約4時間)で作品づくりをしているが「異なる気温や湿度などさまざまな条件で満足するものを作るには、まだ経験が足りない」。さらなる高みを目指して、回数を増やしたい考えだ。

   ◇   ◇

 金唐革紙の企画展「きんからの世界」が10月4日~12月4日、旧蔵内邸で開かれる。入場料大人300円。小中学生100円。水曜休館。

 これに合わせて、旧蔵内邸の版木で打ち込みから彩色まで体験する「きんからワークショップ」が10月14日午前10時~午後3時、旧蔵内邸宝蔵である。作品は持ち帰ることができる。

 定員は20人。参加費2300円。事前申し込みが必要。旧蔵内邸=0930(52)2530。

=2018/09/01付 西日本新聞朝刊=

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