買い物弱者支援に知恵 上毛町の協力隊員、独力で「共同売店」 [福岡県]

上毛町で「共同売店」を試験的に開催している小林未歩さん
上毛町で「共同売店」を試験的に開催している小林未歩さん
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有田地区の集会場で開かれている「共同売店」にはカップラーメンやお菓子などが並び、お茶会も行われる(小林未歩さん提供)
有田地区の集会場で開かれている「共同売店」にはカップラーメンやお菓子などが並び、お茶会も行われる(小林未歩さん提供)
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トイレットペーパーとティッシュペーパー、水やお茶などのペットボトルもある(小林未歩さん提供)
トイレットペーパーとティッシュペーパー、水やお茶などのペットボトルもある(小林未歩さん提供)
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 地域の買い物困難者(弱者)の支援に、上毛町の地域おこし協力隊員小林未歩さん(35)らが個人的に活動を始めた。参考にしたのは、集落の有志が出資して集落で経営を行う沖縄県の「共同売店」。試験的に7月から月1回開催し、高齢者が満足する商品の品ぞろえなどに知恵を絞っている。

■テーブルに日用品

 集会場のテーブルにはトイレットペーパーや水のペットボトル、カップラーメン、サバの缶詰、ドッグフードなど日用品や食料品が並ぶ。値段はスーパーでの購入額に10円、20円程度上乗せしただけだ。「おためし共同売店」ののれんが掛けられた上毛町東上有田地区の集会所。お年寄りが買い物の一方、お茶を飲みながら世間話をしていた。

 有田地区は、16世帯約40人が暮らす中山間地域。近年は地域おこし協力隊OBなど若い移住者もいるが、高齢化が進み、地域のつながりも薄れてきているという。

■損をしない仕組み

 「好きな肉を買いに行くことができない」。「共同売店」のきっかけは、地域おこし協力隊の活動拠点「田舎暮らし研究サロン」の裏に住む1人暮らしのひと言だったという。何かできることはないかと考えた結果、以前住んでいた沖縄の「共同売店」を思い出し、視察のため上毛町から沖縄県へ足を運んだ。

 「共同売店」に倣い、小林さんと知人らがそれぞれ5千円から1万円ずつ出資し、高齢者が希望する商品を購入。小林さんが中心となって販売した。

 営業は午前9時~午後1時までの4時間。訪れたのは1日に3、4人で、売れ残りも出たが、「いずれも保存でき、地区の防災備蓄用品や自宅で使う日用品になることを考えれば、損はない」という。

■容易ではない経営

 有田地区近くの大分県中津市耶馬渓町にあった「ノーソンくらぶ」。2005年から地域住民が出資したり、会費を出したりして店舗販売を続けてきたが、17年11月に閉店した。利用者が減少し、経営が成り立たなくなったためだ。過疎化と高齢化が進む地域での経営は容易ではない。

 上毛町は、大型ショッピングセンターに行く町の「コミュニティバス」を走らせ、別のスーパーへの「買い物バスツアー」なども実施している。ただ、傷みやすい精肉や鮮魚、重いペットボトルなどをバスで短時間に運ぶことは高齢者にとって負担が大きい。

 コミュニティーを維持し、高齢者が満足できる買い物支援があるのか。小林さんたちの模索は続く。

=2018/09/15付 西日本新聞朝刊=

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