【街 みらい】漁業振興 北九州の魚、港から店へ直送 希望の商品をサイトで注文 [福岡県]

スマートフォンを利用した迅速な取引などをアピールする「CHOKSEN」のホームページ
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セミナーでネットビジネスについて説明する佐々木大樹社長
セミナーでネットビジネスについて説明する佐々木大樹社長
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 北九州市近海の海の幸を全国に情報発信しようと、市は漁港から飲食施設へ新鮮な魚介類を直送するネットビジネスに注目している。市の担当者は「将来的には大消費地の首都圏などに向けてセールスし、販路拡大につなげたい」と期待する。

宮崎のIT企業社長がセミナー

 JR小倉駅近くのAIMビル(小倉北区浅野)に12日、地元の飲食店や漁業関係者ら約30人が集まった。北九州市産業経済局主催のセミナーで講師として招かれたのは、宮崎県門川町のIT企業「デナーダ」の佐々木大樹社長。2016年3月から展開するネットビジネス「CHOKSEN(ちょくせん)」を説明した。

 同ビジネスの特徴は複雑な販売経路を省略し、「漁港や漁業者と飲食店をデナーダが1本の線のようにつなぐ」(佐々木社長)。

 デナーダの社員らは早朝宮崎の複数の漁港を訪れ、水揚げされた魚を市場の競りが始まる前に撮影し、CHOKSENのサイトに写真を載せる。サイトを見た飲食店経営者らは希望の商品を注文。発注を受けた社員らは競りに参加し、買い付けをして発送する。

「ほしい魚をすぐに購入」飲食店も関心

 従来、地方の漁港では仲買人が競りで購入し、さらに自治体の中央市場などの仲買人が再度購入後、飲食店が買い付ける、という流れがある。東京の店が地方の魚を仕入れる場合、さらに複数の仲買や市場を介さなければならず、手数料や経費がかさむ。

 佐々木社長は「CHOKSENは飲食店側の仕入れコスト削減だけでなく、直接的な仕入れで漁業者側の所得向上にもつながる」と強調。セミナーに参加し、北九州市内で複数の飲食店を展開するタグボートFC(小倉北区)の広口宗寛総料理長(32)は「ほしい魚の質が把握でき、すぐに購入できるシステムではないか」と関心を寄せた。

 市水産課によると、16年の漁獲量は約3980トンで漁業生産額約31億円(推計値)だが、同課は「『関門海峡たこ』など、ブランド化した魚介類もあるが、全国的な認知度はいまひとつのところがある」と打ち明ける。

 デナーダは国内の飲食店約120店と取引。うち9割が東京で、海外の「お得意先」もいる。佐々木社長は「北九州は関門海峡や響灘、周防灘に囲まれる魅力的な漁場でビジネスチャンスが広がる。まずは宮崎での実績などを知ってもらいたい」と話している。

=2018/09/25付 西日本新聞朝刊=

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