【街 みらい】決済の壁スマホで解消 北九州市がキャッシュレス実証実験 中韓にアピール [福岡県]

入場料が支払えるスマホ決済用のタブレット端末=9月中旬、小倉城庭園
入場料が支払えるスマホ決済用のタブレット端末=9月中旬、小倉城庭園
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 スマートフォンアプリを使って買い物や飲食の支払いをするスマホ決済の普及に向け、北九州市中心部の飲食店や観光施設など約50カ所で金融機関による実証実験が行われている。中国や韓国ではクレジットカードなども含め、現金を持ち歩かない「キャッシュレス決済」が主流になりつつあり、海外旅行先では両替の手間が省けることから、購買意欲の向上につながるとされる。市はインバウンド(訪日外国人客)の消費促進に期待して実験を後押しする。

 京町銀天街(小倉北区)の辻利茶舗は抹茶やスイーツが人気で、海外の観光客も多く訪れる。レジには決済用の端末を常備し、日本人向けアプリ「プリン」と中国人向けの「アリペイ」が使用できることをシールなどで知らせる。アリペイの場合、客がスマホ画面で提示する2次元コードを店側が読み取れば決済完了。店の担当者は「利用者はまだ少数だが、海外の人でも会計に手間が掛からない」と話す。

 実験はみずほフィナンシャルグループ(FG)や北九州銀行などが9月から実施。プリンとアリペイを使用し、市が募った店舗や施設に、みずほFGがスマホ決済用のタブレット端末を無償貸与する仕組みだ。

 小倉城庭園(同区)でも、入場券や土産物をスマホ決済の対象にしている。ただ、周知不足もあり、アリペイの使用例は数件ほど。庭園の吉柳正太郎館長は「旅行会社が中国でツアーを販売する際に『北九州ではアリペイが使える』と情報を盛り込めば、PR効果が高いのではないか」と提案する。

 市の観光動態調査では、2017年に市内を訪れた外国人観光客数は約68万人で、16年(約35万人)から倍増。大型客船の寄港などで中国からの団体客も多く、インバウンドの消費喚起に向けて、市もキャッシュレス環境の整備について、情報発信の手段を検討するという。

 経済産業省によると、クレジットカードも含めた各国のキャッシュレス決済比率(15年)は韓国89・1%、中国60%に対し、日本は18・4%。同省は「スマホアプリを活用した支払いサービスは多様化しており、今後さらに普及するだろう」とみている。

=2018/10/04付 西日本新聞朝刊=

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