“江戸時代の旅”追体験 古地図と日記でたどる3200キロ 商家の女主人ら日光や三都へ 芦屋で企画展 [福岡県]

江戸時代の地図などがずらりと並ぶ展示会
江戸時代の地図などがずらりと並ぶ展示会
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 江戸時代後期、芦屋町の商家の女主人らが約5カ月かけて国内を観光した旅行を古地図でたどる企画展が、同町山鹿の芦屋歴史の里で開かれている。一行は約3200キロを船・徒歩で回り、伊勢神宮(三重)や日光東照宮(栃木)のほか、江戸、大坂、京の三都も訪問。庶民に旅行ブームが到来していた当時の雰囲気を感じることができる。

 旅に出たのは、芦屋町で両替商などを営んでいた「米伝(こめでん)」の女主人、桑原久子と、中間市西部の商家夫人で、俳優の故高倉健さんの先祖小田宅子(いえこ)など計7人。歴史の里によると、出発時の久子、宅子は50代前半で、7人の旅費は現在の金額に換算して約1050万円だったとみられる。

 一行は1841年1月に芦屋を出発し、金刀比羅宮(香川)を経て大坂入りした後、伊勢神宮を参拝。その後長野県を経由する中山道などを通り、日光東照宮を訪問して江戸へ。帰路は東海道などを経て大坂に戻り、残りは船を使い、6月に帰郷した。

 展示は久子が書いた旅行記「二荒詣(ふたらもうで)日記」を基に構成。旅で通過した大半の地域の古地図を並べる。約10日滞在した江戸の地図には、忠臣蔵で知られる四十七士の墓のある泉岳寺(東京)や浅草(同)など約40カ所の訪問地をピンで表示。100万都市として栄えた街を熱心に見て回ったことを視覚的に示している。

 「日記」の要約版も展示。大坂で歌舞伎などを4日連続観劇したことや各地での名産品購入、地元の不良につきまとわれた苦労などを読むことができる。和歌の素養があった久子が詠んだ歌も随所に載っており、旅情を誘う。

 歴史の里の山田克樹学芸員は「当時のガイドブック、名所図会で綿密に計画を立てたことがうかがえ、興味深い。約180年近く前の旅行を追体験してほしい」と来場を呼びかける。

 展示は12月2日まで。10月28日は江戸文化研究家の菅野俊輔さんのギャラリートークもある。入館料は中学生以上が200円、小学生が100円。歴史の里=093(222)2555。

=2018/10/10付 西日本新聞朝刊=

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