「対応が遅い」返礼品12月末に見直し 駆け込み寄付狙い?批判も 上毛町 [福岡県]

ふるさと納税の返礼品を紹介した上毛町のホームページ
ふるさと納税の返礼品を紹介した上毛町のホームページ
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 ふるさと納税で過度に高額な地場産品以外の返礼品を掲げて寄付を集める自治体の見直しが進んでいる。多額の寄付金を集めてきた上毛町は12月末に見直すことを明らかにした。周辺の自治体からは「見直しは当然だが、(上毛町のように)特産品が少ない自治体にとっては時間がかかる」と一定の理解を示す声が出る一方、「あまりに対応が遅く、駆け込みの寄付狙いだ」との批判も出ている。

▼地場産品以外も

 豊後牛のステーキ、鹿児島産のうなぎのかば焼き、大分産の米焼酎-。ふるさと納税の申し込みができるポータルサイトに上毛町の返礼品が掲載されている。現在取り扱っていない品を除いても200品目ほどはあるが、地場産品ではない返礼品も多いという。

 総務省は9月、返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定し、違反した場合はふるさと納税の対象外にするよう法改正する方針を示した。高額な地場産品以外の返礼品などで10億円以上の寄付を集めた全国12市町も公表し、県内では宗像市と上毛町の名前を挙げた。

 上毛町の2017年度寄付金受け入れ額は約12億600万円。返礼割合は45%で、牛・豚肉とメンチカツなどは地場産品以外として、見直しを求めた。

▼国が来月も調査

 総務省は9月の見直し状況調査に続き、11月1日時点の調査もする。「見直しをしていないと、ふるさと納税の対象外となる恐れがある」などとして、県内では宗像市が9月末に見直したほか、寄付額の4~5割相当の返礼品を贈っていた嘉麻市は来年4月に予定していた見直し時期を11月1日に前倒しすることにした。

 ただ、上毛町は「返礼品をすでに確保していることなどもあり、総務省や県と話をした上で、見直し時期を本年度末から12月末に前倒しした」と説明する。

▼12億円を見込む

 総務省の要請に応じている自治体は寄付が集まりにくく、見直し時期が遅い自治体に集中しがちだ。要請を守っている自治体からは「正直者がばかを見る」などの不満が出ている。

 同町によると、本年度の寄付受け入れ額は当初、15億円を見込み、9月末までに約6億8200円が集まった。

 月別にみると、17年度に1億円を超えたのは10~12月の3カ月だったが、本年度は7月から1億円超えが続いている。過去の実績を見る限り12月は寄付が多くなるとみられ、町税務課は「本年度は最終的に12億円程度になる」と、前年度並み確保を見込む。

 税収不足に悩む地方には「少しでも増やしたい」との思いがある。法改正だけではなく、国と地方で協議し地場産品の定義など細かなルールづくりをすることが、自治体間の税の奪い合いから脱却し、古里や災害の被災地などを応援する本来の趣旨にたち返ることになるはずだ。

=2018/10/29付 西日本新聞朝刊=

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