【街 みらい】北九州VS福岡 魅力探し・データ(2)観光 魅力あふれる資源の宝庫 [福岡県]

JR門司港駅のグランドオープンで、観光振興に向けて相乗効果が期待される門司港レトロ地区
JR門司港駅のグランドオープンで、観光振興に向けて相乗効果が期待される門司港レトロ地区
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 バイパスを走る車のヘッドライトが流れて行く。洞海湾沿岸の工場の明かりがきらめく。

 昨年12月19日、八幡西区のJR黒崎駅前の商業施設「メイト黒崎ビル」の屋上を夜景鑑賞スポットに整備できないか検討する見学会があり、環境デザインを学ぶ大学生や夜景写真の専門家、北九州市職員らが参加した。

 北九州市は昨年、一般社団法人「夜景観光コンベンション・ビューロー」(東京)が認定する「日本新三大夜景都市」に初めて選ばれた。長崎、札幌に次ぐ3位。夜景が有名な神戸や函館を抑えた。

 若者でにぎわうファッションの先進地・天神や全国有数の歓楽街・中洲を抱える福岡市には2016年、2050万人もの観光客が足を運んだ。一方、北九州市を訪れたのは、福岡の6割にも満たない1193万人。

 大きく水をあけられた形だが、一躍、脚光を浴びた「工場夜景」などを挙げ、森川洋一・北九州市観光課長は「北九州は観光資源の宝庫だ。将来的には並び立てる」と前を向く。

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 とりわけ、公害を克服した歴史を紹介する環境ミュージアム(八幡東区)など学習機能も併せ持つ観光施設がある北九州市は修学旅行先として人気だ。17年に同市を訪れた修学旅行生は約15万人で、福岡市の約4万人を大きく上回った。

 ただ、「逆風」も吹く。けん引してきたスペースワールド(SW、八幡東区)が同年末で閉園。近くの市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)の入場者数は18年、47万人(18年11月末現在)と、前年同期比で約6%も減るなど影響は明らかだ。「呼び戻し」に向け同館の関係者は「営業活動に力を入れるしかない」と強調する。

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 外国人観光客の動向も観光振興のカギだ。トレンドは所有重視の「モノ消費」から体験重視の「コト消費」へと移り、観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、17年に観光ガイドや博物館などのコト消費を含む娯楽サービスに支出した訪日外国人の割合は35・7%。12年の21・5%から増加傾向が続く。

 一方、「爆買い」で注目を集めた中国人の1人当たりの買い物代支出は、15年の16万1973円から17年の11万9319円まで減少。観光庁の担当者は「訪日外国人に満足して再来日してもらうためにも、コト消費の充実は時代の要請だ」と指摘する。

 北九州市によると、市を訪れた外国人数は17年、68万2千人と前年からほぼ倍増した。今年3月には、大規模改修工事中のJR門司港駅(同市門司区)のグランドオープンが控え、同3月末には小倉城天守閣(小倉北区)のリニューアル工事が完了する。市はコト消費の充実に力を注ぐ。

 九州のハブポートとなる福岡空港や博多港がある福岡市から入国した外国人数は298万人。森川課長は「商都とは違う北九州の魅力をPRできれば、外国人観光客を福岡からもっと呼び込める」。奪い合いではなく、共存する道を目指す。

=2019/01/04付 西日本新聞朝刊=

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