【街 みらい】北九州VS福岡 魅力探し・データ(3)人口 若者の地元就職率が低迷 [福岡県]

昨年春に小倉北区で開かれた合同会社説明会。北九州市は地元就職率の向上を目指す(市提供)
昨年春に小倉北区で開かれた合同会社説明会。北九州市は地元就職率の向上を目指す(市提供)
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 2018年元旦、北九州市は市発足以来初めて人口95万人を割って年を明けた。11月には福岡市が158万人を突破。1963年の旧5市合併で103万人の北九州市が誕生した時、福岡市は72万人だった。両市の明暗を分けた要因は転出入の差し引きを示す社会増減が大きく、特に顕著なのは若者の動向だ。北九州市は人口減少の幅を抑える鍵として、若者の流出防止に躍起になっている。

 「北九州市は高齢者が増えている。市外に出る若者を減らせば良い」。都市計画などを研究する北九州市立大学地域戦略研究所の内田晃副所長(教授)の指摘は明確だ。

 実は北九州市は世代別に転出入を見ると、15~19歳の層は「転入超」となっている。ところが20~24歳の層は「転出超」で、この層が人口減の4分の1を占める。よその自治体で育った若者が大学など市内の学校に進学したものの、卒業後は市内に就職せず離れていったためだ。

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 内田教授が北九州と山口県下関地域の13大学・高専生を対象にした調査では、16年4月に入学した大学生で「地域に愛着がある」と回答した割合は、同月時点で35・3%だったのが、17年1月には54・7%に上昇。北九州市内出身者は6割近くが地域での就職を希望し、市外出身者の就職希望も微増傾向にあるという。

 ところが、市雇用政策課によると、18年3月に市内大学を卒業した学生のうち、全就職者数は3951人で、うち市内企業に就職したのは873人。地元就職率はわずか22・1%に過ぎず、10年近くはこうした傾向が続いている。

 市は14年、地元就職率を32%にする目標を設定。市内就職を条件に奨学金返済を一部肩代わりする制度の創設や、市内に事業所がある企業を中心とした合同会社説明会を年7回も開催するなど様々な方策を繰り出す。

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 低い地元就職率の理由として、内田教授は「地元企業の認知度」を挙げる。調査では企業側は8割近くが地元学生を採用したい意向を持つが、学生側の地場企業の認知度は社名30・8%、業務内容25・5%と低い水準にとどまる。内田教授は「地域企業について、低学年から知る機会を設けるべきだ」と強調する。

 福岡市は10~29歳までの若者の占める割合が、21・6%(15年国勢調査)と政令市で最も高く、企業誘致のPRでも前面に押し出すなど、吸引力を一層高める要因にもなっている。対照的に18・1%と2番目に低い北九州市。一度は流入しながらも就職で出て行く若者のつなぎ止めは、人口減少幅の縮小や市の魅力を高めるためにも、クリアすべき課題といえそうだ。

=2019/01/05付 西日本新聞朝刊=

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