ヤーコンの魅力知って オリゴ糖豊富な健康野菜 吉富町の野依さん夫妻 [福岡県]




生活習慣病の予防や改善を促すとされる野菜「ヤーコン」を、吉富町小犬丸の野依肥佐生さん(55)と奈美さん(45)夫妻が栽培している。上毛町の道の駅「しんよしとみ」に今月中旬から出荷。ヤーコンの魅力を知ってもらおうと、料理のレシピなどを付け、販売している。
ヤーコンは南米高地原産のキク科の植物。根菜でサツマイモに似ていて、薄切りにするとナシや大根のような透明感と、ほのかな甘み、ナシに似た歯ごたえがある。オリゴ糖やポリフェノール、食物繊維などが多く、整腸作用や糖尿病予防のほか、コレステロールや中性脂肪の低下を促すとされる。カロリーが低いことも特徴だ。
県内では、那珂川市が特産野菜として力を入れ、約40アールで栽培しているが、まだ十分に知られていないという。
野依さん夫妻は現在、親戚から借りている上毛町垂水の畑で無農薬栽培をしている。3年前まで荒れ果てていた休耕地だったが、手作業で石を取り除き、くわで耕した。化学肥料は一切使わず、鶏ふんや牛ふん、米ぬかを利用。夏には高さ2メートル近くまで育つヤーコンなど年間30種類強の野菜を栽培している。害虫対策ではピンセットで虫を取り除いたり、ネットを張ったりしている。
ヤーコンは3月まで収穫する農家が多い。しかし、野依さんは、「寒い時期に収穫すると甘さが増す」として、1月中旬から収穫を始めた。
同封したレシピには、きんぴらや天ぷら、サラダなどに加え、ジャムの作り方を紹介。生のままでも、煮ても焼いてもおいしいという。「料理する際は、必ず5分程度、水にさらしてください」とポイントも書いている。
道の駅で5、6本入り(600グラム前後)200~250円で販売している。野依さん夫妻は「数に限りがあり、ヤーコンがなくなる2月上旬から中旬までの販売となりそうだ」と話している。
=2019/01/19付 西日本新聞朝刊=