戸畑祇園「暴排」へ抜本改革 権限集中の運営委廃止 「組員と親交」即出演禁止 [福岡県]

光のピラミッドが観客を魅了した戸畑祇園大山笠の競演会=昨年7月
光のピラミッドが観客を魅了した戸畑祇園大山笠の競演会=昨年7月
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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「戸畑祇園大山笠」振興会(戸畑区)は、毎年7月の競演会で調整役を担う運営委員会の前幹部ら6人が特定危険指定暴力団工藤会系組長の宴会に出席していた問題を受け、暴力団排除に向けて(1)運営委の廃止(2)競演会への出演禁止(3)各山による暴排規定の明文化-を3本柱とする改革を進めている。権限が集中していた運営委から、山笠関係者と地域住民らが協議して決める方式に改めるなどして開かれた祭りを目指す。

 振興会は、区内の各地域で神事を行う東、西、中原、天籟寺(てんらいじ)の四つの山を一堂に集めたメインイベントの競演会を主催する団体で、四つの山や地域住民、企業などで組織している。

 振興会の中に運営委があり、昨年3月に門司区であった工藤会系組長の宴会に、当時の運営委員長の中村健吾被告(49)=詐欺罪で起訴=と振興会顧問、各山に1~2人いた総代表のうち4人の出席が発覚。中村被告は解任され、5人は辞任した。

 運営委の副委員長には、辞任した総代表4人が就くなどして山笠関係者の意向が強く働いていた。振興会は先月末の役員会までに、運営委を廃止する方針で一致。代わりに、振興会と各山、区役所が直接話し合う場を設けて競演会を運営する方法を検討している。

 競演会については、振興会が今月にも各山と覚書を交わすことを決めた。これにより、暴力団員と親交のある山笠関係者が見つかった場合、振興会の判断でその山の出演を直ちに取りやめることができる。親交があるかどうかは県警の認定に基づく方針。対象は役員や担ぎ手ら数百人規模になり、各山に“連帯責任”を求める。

 先月24日には各山の代表者を集めた会合があり、県警が振興会を通して各山に暴排規定を作るように依頼した。振興会事務局は「規定があれば資金の流れや人事が透明化できる。寄付を集める上でも大事なこと」としている。

 山笠関係者の一人は「地域の神事を大切に活動してきただけに、地域に申し訳ない。うみを出し切りたい」と語った。

=2019/02/03付 西日本新聞朝刊=

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