「放送機の神様」の企画展 旧制豊津中出身、故島山鶴雄氏 みやこ町歴史民俗博物館 [福岡県]

写真を見ながら島山鶴雄氏の思い出を語る長男の博明さん(右)と中田薫さん
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島山鶴雄氏
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企画展で寄贈された資料の中から、島山鶴雄氏の進学をめぐり、旧制豊津中校長に宛てた父多美弥の手紙を発見した木村達美学芸員
企画展で寄贈された資料の中から、島山鶴雄氏の進学をめぐり、旧制豊津中校長に宛てた父多美弥の手紙を発見した木村達美学芸員
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 旧制豊津中(現育徳館高)出身で、NHKの放送機械を開発するなど放送電波の安定化と技術者育成に生涯をかけた島山鶴雄氏の遺品など約100点を展示した企画展が、みやこ町歴史民俗博物館(同町豊津)で開かれている。島山さんの長男博明さん(81)=横浜市=と生前交友があった、元NHKアナウンサー中田薫さん(76)=東京都台東区=が島山さんの業績や人となりを語った。

 鶴雄氏は、1906年に小倉で生まれ、旧豊津中を卒業後、明治専門学校(現九州工業大)に入学した。27年に首席で卒業し、日本放送協会(NHK)九州支部に就職。小倉放送局(現北九州放送局)や熊本、東京放送局の基礎づくりに尽力した。さらに「新郷工作所」(埼玉県)で放送機を開発しながら、国内外で多くの技術者を育てた。その功績から「放送機の神様」と称された。NHK退職後は、日本電気(NEC)で開発の指導や海外での技術指導を担った。2005年、99歳で亡くなった。

 企画展は15年、中田氏が館長を務めたNHK放送博物館(東京)所蔵の鶴雄氏が造った放送機など約300点を博明さんが引き取ったことがきっかけ。鶴雄氏の先輩でNEC創業者の岩垂邦彦の古里でもある同町の歴史民俗博物館への寄贈を決めたという。同博物館の木村達美学芸員が整理して初の企画展にこぎつけた。

 放送の創生期を支えた鶴雄氏を「白黒がはっきりしていて、妥協を許さない性格だった」と語る博明さん。「技術者としては優れた資質を持ち、自信に満ちた生涯だった」と振り返る。一方、著書「放送機の神様 島山鶴雄の生涯」を著した中田さんは「自分の意見をはっきり言う人だった」と語る。

 2人は「展示物が直接、故人の仕事や業績などを語りかけてくれる。放送に生涯をかけた思いをくみとってほしい」と話している。

   ×    ×

 企画展は4月21日まで。入館料大人200円、高校生以下100円。毎週月曜日が休館。みやこ町歴史民俗博物館=0930(33)4666。

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

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