62歳、救命士から准看護師に 高齢者施設勤務の消防OB [福岡県]

豊前築上医師会看護高等専修学校を優秀な成績で卒業し、賞状や皆勤賞を贈られた高浜寿生さん(右)と勤務先の特別養護老人ホーム「さくら苑」の桝孝三理事長
豊前築上医師会看護高等専修学校を優秀な成績で卒業し、賞状や皆勤賞を贈られた高浜寿生さん(右)と勤務先の特別養護老人ホーム「さくら苑」の桝孝三理事長
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 京築広域圏消防本部(豊前市)の救急救命士だった高浜寿生さん(62)=吉富町小祝=が定年退職後、吉富町の特別養護老人ホーム「さくら苑」に勤務しながら豊前築上医師会看護高等専修学校(豊前市)を7日に卒業し、13日に准看護師試験に合格した。

 「命に関わる仕事をしていた経験を生かし、退職後は准看護師として世の中に貢献したい」と、2017年に専修学校に60歳で入学。孫ほど年の離れた同級生と机を並べた。

 一日中授業があることや、午前中は勤務し、午後から授業を受けることもあった。それを、さくら苑の桝孝三理事長(76)らが「救急救命士の経験があり、他の職員の刺激にもなる」と応援してきた。

 「看護学を勉強するのは初めてだけに、覚えることが多かった」「病院実習で入院している高齢者の気持ちを理解することに努めた」。1日4時間の睡眠で10時間以上自宅で猛勉強を続けた。苦闘しながらも、専修学校を1日も休まず、皆勤賞をもらった。また、県医師会からは「在学中の行いが正しく、学業の成績も特に優秀」などとして表彰も受けた。准看護師の夢はかなった。

 今後、さくら苑でフルタイム勤務をするという高浜さんが「胃ろうなどの治療も出てくる。事故のないように気を引き締めたい」と語ると、桝理事長は「おめでとう。お年寄りのために、丁寧で親切な職員になって」と祝福した。

 合格の連絡を楽しみにしていた高浜さんの父は2月26日、肺炎のため86歳で亡くなった。合格証が届き次第、仏壇に飾り、「合格したよ。もう少し生きていてくれれば、医療面のアドバイスや世話ができたのに」と呼び掛ける考えだ。

 高浜さんは第二の人生でも、命を救う道を歩み続ける。

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

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