「逃げ腰、納得できない」 朝鮮学校無償化訴訟判決 原告側、敗訴に憤りと涙 [福岡県]

敗訴を受け、「不当判決」などと書かれた紙を掲げる弁護団
敗訴を受け、「不当判決」などと書かれた紙を掲げる弁護団
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原告側敗訴の判決後、記者会見する弁護団
原告側敗訴の判決後、記者会見する弁護団
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 地裁小倉支部で争われてきた朝鮮学校無償化訴訟。2013年12月の提訴から約5年たった14日、原告側敗訴の判決が出た。判決直後、小倉北区の同支部前で原告らを前に弁護団が「不当判決」と書いた紙を掲げた。しばらく沈黙が続いた後、叫び声が上がり、涙を浮かべる九州朝鮮中高級学校の在校生の姿もあった。

 国が13年に朝鮮学校を無償化の対象外とした理由は二つある。一つは、当時の下村博文文部科学相による省令改正で、朝鮮学校が無償化の対象となり得る施行規則の規定が削除されたこと。もう一つは、旧民主党政権時の10年に朝鮮学校を無償化の対象とするかどうかを判断する基準の一つとして設けた「適正な学校運営」を朝鮮学校がクリアしていないというものだ。

 この日の判決は「文部科学相の判断に裁量権の逸脱、乱用が認められない以上、規定削除による指定除外の違法性を判断する必要はない」「朝鮮総連から不当な支配を受けている旨の公安調査庁の調査結果や国会答弁などを踏まえると、学校運営が法令に従った適正なものと十分な確証を得ることができない」と、国の主張を認める内容だった。

 全国で起こされた同種の訴訟では、朝鮮学校の卒業生らの訴えを棄却するも国の主張の矛盾点を指摘する判決もあった。それだけに同支部の判決を受けて記者会見した原告弁護団は「省令改正の問題点に踏み込まずに違法性を全く判断しなかった。逃げ腰だ」と批判した。

 傍聴席で判決を聞いた在校生は「納得できる内容の判決ではない。ただ怒りしかない」と唇をかみしめていた。原告の一人で九州朝鮮中高級学校OBの余信徹さん(23)は「大変悔しいし、憤りを感じる。権利を勝ち取るために闘い続ける」と語った。原告側は控訴する方針だ。

=2019/03/15付 西日本新聞朝刊=

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