「学校にスマホ、是か非か」有識者会議で賛否両論 「原則禁止」の北九州市 [福岡県]

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 スマートフォンの学校への持ち込みを認めるか、認めないか-。市立小中学・高校へのスマホ持ち込みが「原則禁止」の北九州市で、こんな議論が始まっている。大阪府が新年度から公立小中学校で持ち込みを認めることを決め、文部科学省も緊急連絡手段としての有効性などから「原則禁止」の通知を見直す方針。北九州市教育委員会は、やむを得ない事情がある場合だけ許可するルールを当面維持する構えだが、中高生を中心に所持率が高い現実もあり、有識者会議でも賛否両論の多様な意見が出た。

 市教委は20日に開かれた「市いじめ問題専門委員会」に、スマホ持ち込みについて議論を投げ掛けた。委員の医師や弁護士、保護者代表らは「原則禁止」を見直すことの是非について、活発に議論を交わした。

 「こっそり持ち込むのは良くない。ルールを決めて許可するのが現実的」と肯定的な意見が出る一方、「許可すると、スマホの購入を学校が奨励しているような印象を与える」といった懸念も。「(許可時には)ロッカーに保管して授業時間中に携帯させない工夫を」とする提案や「子どもの考えを聞いた方がいい」という指摘もあった。

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 市教委は2009年3月、携帯電話を所持する児童生徒の増加を受け、学校への持ち込みを「原則禁止」とする通知を市立の小中学・高校に出した。特別な事情で保護者が申請すれば認めるとしており、スマホ主流の現在も同じ通知を適用している。

 「特別な事情」とは、放課後の習い事や塾で、迎えに来る保護者との連絡が必要な場合など。スマホを登校後に教員に預け、下校前に受け取る。ただ、許可なく持ち込んで指導対象になる子どももいるという。

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 既に、子どものスマホ所持率は高い。市教委が市立小中学・高校の全児童生徒を対象に18年9~10月に実施した調査では、中学2、3年の70%超が持っていた。高校生は1~3年まで90%超。中1と高1で大きく上昇し、市教委は「進学が所持するきっかけになっている」とみる。会員制交流サイト(SNS)やゲームの利用率は学年とともに上昇。「家庭でスマホ使用のルールがある」と回答した割合は、学年が上がるにつれて低下していた。

 20日の専門委員会では市教委が「LINEで仲間外れにされた」など、スマホが関係したいじめを、17年度に小学校で23件、中学校で40件認知したとも報告した。「持ち込みが可能になると、新たないじめを誘発する恐れもある」と当面、市教委は「原則禁止」を続ける意向を示した。

 市教委担当者は「学校へのスマホ持ち込みをどうするか、非常に悩ましい。大阪府などほかの自治体の動向も注視しながら、検討を進めたい」と述べた。

=2019/03/25付 西日本新聞朝刊=

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