舟券買って狙え大穴! 記者がボートレース体験 魅力と浪費、裏表 [福岡県]

水しぶきを上げながら駆け抜けるボート。「水上の格闘技」とも言われる
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希望すれば「ペラジェンヌ」が場内を案内してくれる
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 カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法が昨年12月に成立し、九州でもハウステンボス(長崎県佐世保市)などへの誘致の動きがある。IR法をめぐってはギャンブルへの依存や浪費を懸念する声が今もあるが、そもそも公営ギャンブルを知らぬことには、法の是非も語れまい。福岡市・天神からほど近いボートレース福岡に向かった。

 レース場は那珂川の河口付近にある。入り口ゲートをくぐると若い女性たちの笑顔が待っていた。場内の案内役「ペラジェンヌ」。案外明るい雰囲気で初心者も安心して楽しめそうだ。

 2階の観客スタンドに通される。全面ガラス張りの向こうに1周600メートルのレース場がどどーんと広がる。日に12レースあり、各レースで6艇がコースを3周して着順を競う。選手の操艇の優劣やスタートの速さが勝敗を分けるため、観客は出場選手名や成績が書かれた「出走表」とにらめっこしながら予想を立てる。

 まずはレースを観戦しよう。ごう音とともに6艇が水しぶきを上げて駆ける。バランスを崩し2艇が豪快に転覆した。プロペラで大けがをする選手もいるという。「水上の格闘技」と呼ばれるゆえんだ。ペラジェンヌによると、河口に近いため刻々と潮の流れが変わりレースも影響を受けるという。その分、予想が難しくなるというわけだ。

   ◇     ◇

 第4レースの舟券を買うことにした。1~3着を全て順番通りに当てる「3連勝単式」に挑戦。1着のみを予想する「単勝式」に比べると相当難しいが、的中すればリターンも大きい。1枚100円の舟券を計10枚購入。当たれば約5千~1万円になる計算だ。

 レースは最初のブイを回ったところで先頭2号艇、続いて1号艇。手元の舟券には「2-1-6」の文字。「的中か」と胸が高鳴ったが、肝心の6号艇は最後尾。奇跡を願ったが、順位は変わらず「ビギナーズラック」とはいかなかった。

 場内にはレース展開や結果を予想して有料で情報提供する15軒の「予想屋」がいる。予想屋でつくる福岡情報協会の上田義男会長(69)はこの道40年。「10レース当たることもあれば、全然だめなときもある」という。プロでもそれだけ難しいのだ。「まだ千円じゃないか。大丈夫。次はイケるぞ」。心の悪魔がささやく。しかし、やめておいた。

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 レースは約2分で決着する。大穴の「万舟券」が出れば100円が1万円に化けることもある。短時間で懐が温まる夢はなかなか魅力的だ。しかし、あっという間に“すっからかん”になる怖さもある。実際に舟券を購入すると、ギャンブルにはまる理由が少し分かる気がする。

 一方、売り上げの一部が施行者である福岡市の財源となる。ボートレース福岡は1953年の開設以来、計2800億円近くを繰り出してきた。市は近年、外国人観光客の取り込みなどにも積極的で、外国語のパンフレットなども備える。

 地域への経済効果を考えれば、公営ギャンブルはプラスの側面もあるということか。カジノもしかり。しばらくは、法施行後の推移を見守る必要がありそうだ。

=2017/04/19付 西日本新聞朝刊=

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