折尾近辺は金ピカ車、なぜ多い? [福岡県]

「黄金ハイヤー」として親しまれる遠賀タクシーの車両
「黄金ハイヤー」として親しまれる遠賀タクシーの車両
写真を見る

 マイカーの色といえば、白や黒、シルバーを思い浮かべる人が多そうだが、折尾支局(北九州市八幡西区)管内の北九州都市圏西部では、頻繁に「ゴールドカー」を目にする。前任地の福岡市ではめったに見なかった金色の車を、毎日10~20台ぐらい見ている印象がある。黄金のハイヤーも走っている。なぜ多いのか、探ってみた。

持ち主は「すぐ分かる」「夜でも目立って安全」

 今月中旬の昼下がり、水巻町の商業施設の駐車場で“張り込み”をしたら、1時間で15台の黄金の車を発見。やっぱり多いぞ。

 この地に何台あるのか? 九州運輸局に聞くと「(自動車登録時に)色は必要事項でないため、統計はない」。各自動車メーカーの販売店に尋ねても数字は不明。頭を抱えていると、北九州ダイハツ販売(北九州市小倉北区)の担当者が「(個人的)印象でよければ」と、助け舟を出してくれた。「4、5年前、ある車種の購入者のうち約10%が金色を選んでいた。全体の7~8割が白、黒、シルバーを選ぶ中で(金色を選ぶ人は比較的)多いと思います」

 一般財団法人自動車検査登録情報協会(東京)の調査(2015年度末)では、軽自動車も含む車体の色の上位は、白(47%)シルバー(22%)黒(14%)の順で、金は0・01%の「その他」に含まれる。折尾支局管内の「黄金車比率」はやはり高そうだ。

 それにしても、なぜ金色? 前述の商業施設でドライバー10人に聞いた。北九州市若松区の女性(74)は「駐車場ですぐ分かるもんね」。水巻町の主婦(30)は「祖父のお下がり。金運が上がると思ったみたい」。若松区内の別の女性は「汚れが目立たないから」。

 “黄金ハイヤー”の異名がある遠賀タクシー(遠賀町)は、会員制ハイヤー全32台の色を「マットゴールド」で統一。木原圭介社長は「亡くなった妻が外資系航空会社の客室乗務員。2人でよく行った香港では(街のさまざまな場所で)金色が多用されていて気に入りましてね」と理由を語る。

 金色を選ぶことを専門的に分析したものはないのか。「カラー・マーケティング論」(野村順一著)という本では、青は「実際の距離より遠く見え」、赤は「近くに見える」が、黄色は「明度が高くなると実際より大きく見える」とある。黄よりも明るい金色の車は、実物より大きく見え、安全な車間距離を保ちやすいのだろうか。実際、金色の送迎車を運行する八幡自動車学校(八幡西区)は「夜間でも視認しやすい」と、その効用を認める。

 一般社団法人日本流行色協会(東京)によると、ゴールドは「ファッションなら、ベージュを光らせたようなもの。エレガントで、他人とは違うことをしたい人が選ぶおしゃれな色」だそうだ。そう言えば、愛車が金色の中間市の自営業女性(55)も「上品な色だから」と話していた。

 事故を防ぎたい心理と、おしゃれ心が、金色の車が多い理由なのか。わが街の皆さん、いかがでしょう?

=2017/04/22付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]