戦争遺品で平和の尊さ伝える 小竹町の資料館移転から20年 [福岡県]

「戦争遺品で平和の尊さを伝えたい」と話す館長の武富智子さん(手前)と副館長の慈海さん
「戦争遺品で平和の尊さを伝えたい」と話す館長の武富智子さん(手前)と副館長の慈海さん
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 小竹町御徳の「兵士・庶民の戦争資料館」が、旧穂波町(現飯塚市)から移転して、今月で丸20年を迎える。軍服や鉄かぶと、飯ごう、特攻隊員の遺書といった全国から寄せられた約2500点の戦争遺品が展示されている同館。節目に合わせ、18日に戦没者の追悼法要式典を開く館長の武富智子さん(91)は「遺品を通して、平和の尊さをこれからも伝えていきたい」と話している。

 資料館は、武富さんの夫で旧日本陸軍兵士だった登巳男さんが1979年に自宅を改造して開館。その後、老朽化などに伴って97年6月に現在地に移転した。2002年に登巳男さんが84歳で亡くなり、現在は武富さんと副館長で長男の慈海(じかい)さん(68)が遺志を継いで運営している。

 広さ約66平方メートルのプレハブの同館では、登巳男さんが知人から譲り受けたり、寄贈されたりした戦争遺品を、随時入れ替えながら展示。「戦争遺品を手にとって平和を考えてもらいたい」との登巳男さんの考えから、展示品は全て触れることができる。来訪者には戦争体験者もおり、家族にも言えなかったつらい出来事を語る人もいるという。

 武富さんは3年前に脳出血で倒れ、右半分にまひが残り、車いす生活を強いられている。それでも「戦後70年が過ぎ、戦争体験者は少なくなっているが、いつまでも遺品は語ってくれる。遺品から戦争の真実を読み取ってほしい」と多くの来場を呼び掛けている。

 式典では午前中に地元の僧侶による琵琶演奏や戦争犠牲者の追悼法要が営まれ、午後2~5時に資料館を公開。通常は午後1時半~5時開館(水、木曜は休館)。入場無料。

=2017/06/16付 西日本新聞朝刊=

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