男性限定!!華道に挑戦 体験教室に参加 難しさ、奥深さ実感 [福岡県]

初めての生け花で試行錯誤する記者(手前)
初めての生け花で試行錯誤する記者(手前)
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記者作の完成品。背景として生けていたハランは取り除いた
記者作の完成品。背景として生けていたハランは取り除いた
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記者が生けている途中の状態。「花が密集しすぎ。後ろのハランがさらに窮屈な印象を与える」と指摘された
記者が生けている途中の状態。「花が密集しすぎ。後ろのハランがさらに窮屈な印象を与える」と指摘された
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 福岡都市圏のイベント紹介ページを担当していた関係で、いろいろな催しの情報に触れる機会が多い。そんな中、ある華道展の関連行事で、男性限定の生け花体験教室を開くという情報を得た。華道の経験は皆無だが、「男の生け花って何だかかっこいいかも」と軽い気持ちで参加してみたら、これがけっこう奥が深くて…。

    ◇      ◇

 会場は福岡市中央区天神のアクロス福岡2階のセミナー室。体験教室の定員は24人だが、仕事帰りのサラリーマンや高齢の男性で、席は全て埋まっていた。

 一番前の席に座る。目の前のテーブルには、剣山と水の入った花器、はさみ、そしてヒマワリやトルコギキョウといった花や葉が十数本置いてある。

 時間になった。天神などに教室を持つ草真流の家元後藤覚徹さんが、花の種類やはさみの使い方を説明する。10分ほどで話が終わったと思ったら、いきなり「それでは30分くらいで生けてください」。

 耳を疑った。お手本があったり、実演して見せてくれたりは一切なし。さりげなく周りの参加者の動きを見ながら、右手にはさみ、左手に花を持つ。一度切ったら元には戻らない。不安を感じつつ、茎を切って剣山に挿す。料理の仕切りでよく見る葉のハランも素材の一つだ。これを背景にしたら、うまくまとまりそう。花の背丈は低めのほうがいいかな? 20分ほどで、とりあえず「完成」した。

 参加者の森崎正夫さん(63)=中央区=が記者の作品を見に来た。「何だかおとなしいね。性格が出てるよ。自分のは『これでもか』と元気いっぱいになってしもた」と笑う。作品を見ると、確かに花は背が高いままで、花器から花がはみ出ている。パワフルだ。悔しい。

    ◇      ◇

 各テーブルを回ってアドバイスをしていた凰馨(こうけい)流(福岡市早良区)の家元中島慧山さん(75)が記者の前で立ち止まり、花を見て一言。「仕事で何でも(上司や先輩の言うことに対し)『はい』と言って、その通りにやらされているでしょ。でも生け花は仕事と違う。もっと自由になって」。図星だ。花の生け方に仕事ぶりが現れるとは…。

 どうすれば「自由」になるか分からず混乱していると、中島さんが「例えばね、後ろのハランを取るでしょ。するとほら、向こうが見えて空気感が出る。自由よ」。アドバイスで切ったヒマワリの茎も挿し、今度こそ本当に完成した。

 30分がたち、後藤さんが終了の合図をかけた。見回すと、24人の作品はそれぞれ異なる。皆、同じ材料だったのに。通常の生け花は、花の種類や量、花器の選択から始まる。生け方も含めて自由に決められる生け花の世界は、奥が深い。

 最後に後藤さんが「花は持ち帰り、家で生けてみてください」とあいさつして終了。自宅でペットボトルに生けてみたが、やはり、こぢんまりとしたものに。華道も仕事も、簡単に成長するものではなさそうだ。

 メモ 総務省の「社会生活基本調査」(2016年度)によると、全国の華道人口約204万人のうち男性はおよそ14万人で、全体の7%程度。今回の体験教室は「男性が華道を気軽に体験できる場をつくり、裾野を広げたい」と福岡市文化芸術振興財団などが主催した。

 華道各流派の教室では、1回1000円程度で体験レッスンを実施している。

 各流派が出展する「第91回全日本いけばなコンクール西日本地区展」(帝国華道院主催)が22~26日の午前10時~午後6時(23、26日両日は午後5時まで)、福岡市博多区の櫛田神社で開かれる。観覧無料。

=2017/09/06付 西日本新聞朝刊=

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