復興計画住民の意向を 九大の豪雨報告会 研究者の提言相次ぐ [福岡県]

パネル討論で、被災地の復旧復興に向けた意見を述べる九州大の研究者ら
パネル討論で、被災地の復旧復興に向けた意見を述べる九州大の研究者ら
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 福岡市西区の九州大伊都キャンパス椎木講堂で13日に開かれた九州豪雨の報告会では、同大の研究者らから、「住民と対話しながら計画策定を」など被災地の復旧復興に向けた各学会の提言や、河川災害や土砂災害などの調査結果の発表があった。

 報告会は、九大の研究者50人でつくる「豪雨災害調査・復旧・復興支援団」の主催。同日まで福岡市で全国大会を開いていた土木学会は、災害発生後に現地に入った調査団が1次提言を発表した。持続的な復興に向け、集落単位で住民と対話しながら地域の意向を反映した復旧復興計画の策定▽災害が発生した河川はできるだけ広い川幅を取り、河川の領域と農地、住居の領域の明確化が急務▽ため池の治水上の安全性を確保するための手法や制度、予算措置が必要-などを挙げた。

 応用生態工学会は、大量の流木が災害を増大させたとして「崩壊リスクの高い人工林斜面においては、危険要素である樹木をあらかじめ除去する視点が重要」と指摘した。

 これに対し、九大大学院の久保田哲也教授(治山学)はパネル討論で「単純に木を切ってしまっていいのだろうか。林業が盛んな地域だから、社会経済的な視点も必要」と反論し、議論を継続するよう呼び掛けた。

 同大大学院の知足美加子准教授(芸術学)は、流木を那珂川町の移住交流促進施設の看板などに活用するプロジェクトを報告。今後の地域活性化策として、朝倉市と東峰村を自転車で回るツアーを提案した。

 報告会終了後、支援団長の三谷泰浩教授(地盤工学)は今後の活動について「復旧の方向性を示すとともに、地域住民と自治体を結ぶ橋渡し役になりたい」と話した。

=2017/09/14付 西日本新聞朝刊=

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