気軽に認知症チェック テストに苦戦、結果は… 直方市立図書館で体験会 [福岡県]

タッチパネルのテストを受ける記者。基本的なこともなかなか思い出せない
タッチパネルのテストを受ける記者。基本的なこともなかなか思い出せない
写真を見る
認知症予備グループの発見に効果的とされる検査に取り組む参加者
認知症予備グループの発見に効果的とされる検査に取り組む参加者
写真を見る
「肩の力を抜いて」と検査前に話す福田ゆう子事務局長
「肩の力を抜いて」と検査前に話す福田ゆう子事務局長
写真を見る

 人の名前などがすぐに出てこないことは日常茶飯事だが、60代も半ばになると認知症が人ごとではなくなってくる。65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症を患うという時代。正しい知識や理解を深めてもらおうと、直方市山部の市立図書館で毎月催されている「認知症カフェ 図書館」に2回参加し、認知症に関するテストや検査を体験した。

 「認知症カフェ 図書館」は、市立図書館と地元の「認知症サポーターを広める会」(長谷川美和子代表)が共催。2016年秋に1カ月間ほどイベントを開催して好評だったこともあり、昨年1月からは毎月1回土曜日に開いている。図書館と民間のボランティア団体が組んでのこのような取り組みは県内でも珍しいという。気軽に参加してもらおうと、イベント名に「カフェ」を入れているが、飲食の提供はない。

 カフェは、参加無料で定員20人程度。事前に申し込めば誰でも参加できる。認知症予防の話や認知症サポーターの養成講座のほか、検査やテストを行う。春休みや冬休み期間中には小学生と家族を対象に、足に重りをつけたり見えにくい眼鏡を掛けたりしての「お年寄り体験」もあった。

 記者が最初に参加した1月27日は「介護予防の話と脳のイキイキ度をはかろう!」がテーマで、市内外の50~80代の10人が集まった。広める会前事務局長の野口邦生さんが全国や直方市の高齢化率などのデータを紹介しながら「認知症は身近な病気です」「軽度の認知障害の段階での生活習慣が大切」などと注意を呼び掛ける。

 この後、参加者が1人ずつタッチパネルのパソコンを使った認知症テストに挑戦した。イヤホンから流れてくる指示に従い、年月日に関する問いに答えたり、問題に対して正しい図形や言葉を選んだりする。いずれも簡単なようだが、記者も緊張していたのか、基本的な日付がなかなか思い出せず、確認のためポケットから手帳を取りだそうとした。

 クリーニング店の受付をしているという市内の82歳の女性は「一応できた。日ごろ人と会っているのが刺激になっていいのでは」と話し「転ばないように帰ろう」と満足げだった。

 引き続き参加した2月10日のカフェは、認知症予備グループの発見に効果的とされる「ファイブ・コグ検査」だった。「記憶」「注意」「言語」「視空間」「思考」という認知症に関連した五つの機能が低下していないかを約1時間の筆記テスト形式で検査する。

 この日の参加者は、前回より増えて17人。広める会の福田ゆう子事務局長(59)は「肩の力を抜いて受けてください」というが、参加者は学生時代の試験開始を待つような表情だ。用紙が配られ、まずは「自分で掃除ができるか」などを日常生活チェック票に記入していく。

 検査の内容については詳しく書けないが、ある分野の名前を思いつく限り時間内に書くものや、二つの単語に共通する言葉を答える問題などがあった。多くの人が苦労したのが記憶力の検査だっただろう。単語が次々と正面の画面に映し出され、しばらく時間を置いて覚えている単語を書き出すという問題だ。

 途中で「覚えきらんばい」「認知症になりそう」などと声を上げる人や、思わず苦笑いする人もいた。記者も紙面掲載用に会場の写真を撮ったり、原稿用のメモをしたりと、頭がほかのことで満たされていたためか、悲惨な結果に終わった。後日、個人宛てに郵送されるという結果は見たくない心境だ。

 福田事務局長は「私たちの会は高齢者が元気でいつまでも地域で暮らせる、ということを目標にしている。図書館でのカフェもだんだんと浸透してきた」と手応えを語る。図書館の野口和夫館長(55)も「幅広い人たちが図書館に足を運ぶきっかけにもなり、ありがたい」と話す。「認知症カフェ 図書館」は、4月以降は隔月開催で続ける予定という。

=2018/02/27付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]