米粉パン幸せ食感 でんぷん、塩こうじ、甘酒を使用 宗像の教室 [福岡県]

こねた生地を協力し合って型に入れる。焼き上がりが楽しみ
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こんがりと焼き上がった米粉食パン
こんがりと焼き上がった米粉食パン
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米粉パンと、米こうじなど発酵食品を使ったランチ
米粉パンと、米こうじなど発酵食品を使ったランチ
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 小麦粉ではなく米をひいた粉だけを使った「米粉100%」表示のパンを店頭でよく見かける。米粉パンが焼けるホームベーカリーも人気だそうだ。パンをふっくらとさせる成分の一つで小麦に含まれる「グルテン」を含まない米粉は、パンを成形しにくいのが弱点だったが、グルテン代わりの食材を加えるなどして、レシピが豊富になってきたという。自宅で米粉パン作りを楽しみたい人たちが集う教室に参加してみた。

 参加したのは宗像市自由ケ丘の西部ガスエネルギー自由ケ丘店のキッチンで開いている教室。幼い子どもを連れたお母さんが多く、エプロン姿の子どもたちも張り切っている。

 指導者は、福津市若木台の自宅でパンや発酵食品作りの教室「Lien(リアン)」を開く山本知美さん(49)。米粉パンのもちもち感が好きだが、「食感が重いことと翌日には堅くなってしまうこと」が気になっていたという。研究の末、ふっくら感を出すためにグルテンの代わりにサツマイモでんぷんを使う方法にたどり着いた。塩の代わりに塩こうじ、砂糖の代わりに甘酒を入れるのも山本流だ。

 「生地につやが出るまで、しっかりこねてくださいね」。ボウルを抱え込み、各自ひたすら泡立て器を動かす。冬だというのに額に汗がにじむ。バター代わりの菜種油を加えると、つやが出てきた。

 型に流して発酵させる。発酵器という機械があるのを初めて知った。米粉は小麦粉に比べて乾燥しやすいそうで、発酵するときも焼くときも湯を張ったバットをそばに置き、湿気を絶やさないようにする。

 オーブンで約20分、いよいよ完成。パリッと焼けた表面がおいしそうだ。「ちょうだい」と子どもがねだり、お母さんに焼きたてを口に入れてもらっている。私も熱々を一口。香ばしい表面を破ると中はもっちり、ふわふわの食感。一本まるまる食べちゃいそうだ。

 福岡市南区から参加した八坂由希子さん(42)は「米粉パンは堅くなるから難しいと思っていたが、しっとり食感にできた。国産で安全な食材を使いたいので、米粉はぴったり」。昨年生まれた泉羽(みずは)ちゃん(7カ月)にも食べさせたいという。

 山本さんは「米粉も甘酒も地元で手に入る食材。基本が分かれば、米粉パン作りは楽しいですよ」。

   ◇    ◇

■米粉は「姫の舞」お菓子用 JAむなかたが生産

 山本さんが今回使った米粉はJAむなかた(宗像市)の「姫の舞」お菓子用(250グラム180円)。宗像の契約農家が米粉専用に育てた米を使っている。

 米離れの現状を何とかしようと、JAむなかたは8年前から地元米での米粉生産を始め、県内JAで初めて米粉パン工房も開いた。「堅くなりやすい、水分が抜けやすいという米粉の弱点を克服するため、全国の業者を回ってひき方を改良した」と担当者。詳しい改良点は企業秘密だが、昨年ごろから「ここの米粉は堅くなりにくい、料理に使いたい」という消費者の声が増えてきたという。

 米粉用の米生産は、初年度の20トンから昨年度は50トンに伸びた。「グルテンフリー志向で米粉を買い求める消費者が増えるなど、まだ需要が見込める分野。頑張って農家の所得向上につなげたい」と意気込む。

◆グルテンフリーの米粉食パン講座 4月20日、5月17日、6月25日いずれも午前11時から宗像市自由ケ丘の西部ガスエネルギー自由ケ丘店Gスタジオ。発酵食品を使ったランチが付き、作った食パンは持ち帰り。参加費4500円、定員8人。

=2018/03/07付 西日本新聞朝刊=

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