政界の黒幕、インド緑化の父… 夢野久作一族の企画展 芦屋町・芦屋歴史の里で開催 [福岡県]

展示を紹介する杉山満丸さん(奥)
展示を紹介する杉山満丸さん(奥)
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 少年期を芦屋町で過ごし、後に政界の黒幕とも呼ばれた杉山茂丸(1864~1935)や、茂丸の子で福岡市出身の作家夢野久作(本名杉山泰道、1889~1936)など、杉山家のゆかりの資料を集めた企画展「杉山家の人々」が、芦屋町山鹿の芦屋歴史の里で開かれている。

 久作、茂丸に加え、福岡藩の外交官的役職に就き、後に芦屋町に居を構えた時期もある茂丸の父、杉山三郎平(1838頃~1902)と、戦後に私財をなげうってインドの緑化活動に尽力した久作の子、杉山龍丸氏(1919~87)の4代展として、明治維新150年の節目に合わせ企画された。

 茂丸に関する展示では、陸軍大将の児玉源太郎や、「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門など、明治から昭和期にかけて築いた政財界の幅広い人脈を紹介。茂丸が支援した日本最初の週刊誌「サンデー」や、没後に作家江戸川乱歩が寄せた追悼書簡もある。

 三郎平に関しては、職務で出入りした芦屋町の薬屋「塩田屋」の資料や、三郎平が詠んだ歌などを紹介。独特の文学観で知られ、九州日報(西日本新聞の前身)の記者経験もある久作については、小説「ドグラ・マグラ」や「犬神博士」の生原稿などを展示している。

 会場には、杉山家と世界の動きを一覧できる大型年表も掲示。茂丸が1898年、金融王と呼ばれた米のJ・P・モルガンと単独面会し、日本への借款の約束を取り付けた話など、4代にまつわる興味深いエピソードが盛り込まれている。

 芦屋歴史の里の山田克樹学芸員は「芦屋に縁を持ち、各界に多大な影響を与えた一族を通じ、日本の近現代史を見直してほしい」と来場を呼び掛けている。

 龍丸氏の長男満丸さん(62)=筑紫野市=は「久作の展示はこれまでにあったが、4代をまとめた展示は初めて。芦屋が原点となって、杉山家の先祖が輩出されたことを知ってほしい」と話している。

 5月27日まで。入館料は中学生以上200円、小学生100円。18日と4月14日には、山田学芸員によるギャラリートークがある。

=2018/03/10付 西日本新聞朝刊=

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