自殺対策計画を福岡県が策定 死亡率引き下げへ数値目標盛る [福岡県]

写真を見る

 県は、県内の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を2016年の16・3人から14・4人以下に引き下げる数値目標を盛り込んだ「県自殺対策計画」を策定した。国内の自殺者数は景気回復とともに減少し、県内でも16年まで5年連続で減っているが、一方で長時間労働による過労自殺が社会問題化。経済格差も影を落としている。県内は九州でも特に子どもの貧困が深刻とされ、経済・生活問題に起因する自殺防止対策も急務となっている。

 計画は自治体に策定を義務付けた改正自殺対策基本法に基づく。自殺の多くが「追い込まれた末の死」であり、「その多くが防ぐことのできる社会的問題」との認識を示した上で、医療、福祉、教育など多面的な分野で支援に取り組むとしている。

 計画期間は本年度から5年間。数値目標達成に向け、11項目の基本的施策を掲げた。過労自殺防止に関しては、専門知識を持つ社会保険労務士やコンサルタントなどの「働き方改革アドバイザー」を企業に派遣し、個別相談や社内研修を実施するとした。また子どもや若者の自殺対策として、家庭の経済的な問題や子育ての不安解消を図る県内5カ所の「子ども支援オフィス」などで行う子どもの学習や保護者の就労の支援充実を盛り込んだ。

 厚生労働省の「人口動態統計」によると、県内の自殺者数は1998年の1369人がピーク。以降は減少と増加を繰り返しながら千人超が続いたが、2012年から5年連続で減少し、14年には993人と17年ぶりに千人を下回った。16年は825人だった。

 年代別では40~60代が多い。原因・動機(16年)は「健康問題」が最も多く41・5%を占めた。次いで「経済・生活問題」(16・5%)、「家庭問題」(14・4%)、「勤務問題」(6・3%)となっている。

 人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は全国平均に近い値で推移。11年以降は低下しており、14年には17年ぶりに20人を下回った。20、30代は他の年代に比べ、ピーク時からの低下幅が小さい。

=2018/04/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]