懲戒処分、4町「公表せず」 識者「不都合な情報は隠す体質、自治体にも蔓延」 [福岡県]

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 自治体職員の懲戒処分について、県と県内60市町村のうち、添田、大任、福智、みやこの4町が公表していないことが、西日本新聞の取材で分かった。国は公表指針を定め自治体に例示しているが、内規を含め公表基準を設けているのは県と36市町だった(いずれも2017年度末現在)。官庁による情報隠しが問題化する中、識者は「不都合な情報をできるだけ隠そうという体質が自治体にも蔓延(まんえん)しているのではないか」と指摘している。

 取材に対し、添田町=2013年度に減給4人▽大任町=14年度に減給1人▽みやこ町=12年度に減給2人、戒告2人-と、最近の懲戒処分を明らかにしたが、いずれも報道機関への情報提供やホームページへの掲載を見送っていた。大任町は「軽微な処分で公にする必要はない」、他の2町は「公表基準がない」と説明した。福智町は近年、処分はなかったとしている。

 4町を含め公表基準を設けていない自治体は24市町村に上るが、久留米市など15市町は「免職など重い処分は公表する。その他は社会的影響を踏まえて判断している」と説明。糸田、吉富両町は告示公告用掲示板に張り出すとしている。他の5町村は「長年処分例がなく、対応は未定」(那珂川町)などと答えた。

 一方で、基準を定めても適切に運用していないケースもみられた。内規で報道機関への情報提供を明記する岡垣町は16年度に4人の処分を公表せず、同様の規定がある中間市も17年度1件の処分をホームページの掲載にとどめていた。また、ホームページで処分を公表する広川町はトップページの目につきやすい新着情報欄ではなく、人事関連ページに掲載する手法を採用している。

 国家公務員の懲戒処分を巡り、人事院は2003年度、報道機関への情報提供を盛り込んだ「公表指針」を策定し、全府省庁に公表基準を定めるよう通知。総務省は全国の自治体に参考資料として指針を示した。県は同年に内規で公表基準を定め、全ての懲戒処分を報道機関に情報提供している。

 NPO法人市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は「基準がないと積極的な情報公開は期待できない。都合が悪いことを隠すのは役所の論理。積極的に公開することが住民の行政への信頼を高めていくことにつながる」と話している。

=2018/05/28付 西日本新聞朝刊=

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