「台湾と日本の絆」著書で伝え 戎・駐福岡弁事処長が出版 共通する精神など紹介 [福岡県]

「日本精神-日台を結ぶ目に見えない絆」を出版した戎義俊・台北駐福岡経済文化弁事処長
「日本精神-日台を結ぶ目に見えない絆」を出版した戎義俊・台北駐福岡経済文化弁事処長
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 台湾の総領事に当たる台北駐福岡経済文化弁事処(福岡市)の戎義俊処長(65)が7月15日の退官を前に、著書「日本精神-日台を結ぶ目に見えない絆」(海鳥社)を出版した。外交官生活の大半を対日関係業務に携わり、日本での生活が通算22年になる戎さんは「日本の皆さんに台湾との歴史的な縁や、今の台湾が抱える問題についてもっと知ってほしい」と話している。

 1983年に台湾外交部(外務省)に入り、2013年4月から現職。5年余りの在任中、九州・山口と台湾の自治体間の交流協定締結や台湾への修学旅行を推進したほか、九州国立博物館での特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝」開催(14年)や九州大「台湾研究講座」開設(17年)に尽力、160回以上の講演をこなしてきた。「九州は人情に厚く、食文化も豊かで、台湾によく似ている。忙しくも充実した日々だった」と振り返る。

 著書は、日台の縁結びを使命としてきた自身の体験を序章とし、「日本と台湾の心のつながり」「未来へつなぐ日台の固い絆」など6章で構成。「九州と台湾の絆」の章では、日本統治時代に知事として堤防建設などを手掛けた西郷菊次郎(隆盛の長男、鹿児島県出身)や、台湾の風土に適した「蓬莱米(ほうらいまい)」を開発した末永仁(めぐむ)(福岡県出身)など、台湾の近代化に貢献した九州出身者も紹介した。

 書名の「日本精神」は日本統治時代に台湾に根付いた「誠実」「勤勉」「責任感」などの倫理観を指し、戎さんも通訳として仕えた李登輝元総統や日本統治時代の教育を受けた母親から学んだという。「日台に共通する精神として、若い世代にも受け継いでほしい」との思いを込めた。

 李元総統は在任中、日本人の来客には日本語で応対していたが、その内容を同席する台湾側幹部に通訳するのが戎さんの役割だったという。

 退官後は台湾に戻るが、「これからは民間人として、引き続き九州と台湾の縁結びに励みたい」と意欲を燃やしている。

 著書は1600円(税別)で、県内主要書店で販売。海鳥社=092(272)0120。

=2018/06/25付 西日本新聞朝刊=

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