70年前の長谷川町子作 漫画2ページ、戦後の解放感漂う 8日に西南大で公開 [福岡県]

「ぎんのすず」に掲載された故長谷川町子さんの戦後間もない時代の作品
「ぎんのすず」に掲載された故長谷川町子さんの戦後間もない時代の作品
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 漫画「サザエさん」作者で、福岡市と縁の深い故長谷川町子さん(1920~92)の戦後間もない頃の作品を収録した児童雑誌が8日、福岡市早良区の西南学院大で一般公開される。戦意高揚の挿絵を求められた戦時中から一転し、アリの兄妹を主人公にしたほのぼのとした作品。ようやく描きたい漫画を自由に書けるようになった長谷川さんの心情がうかがえる貴重な機会になりそうだ。

 雑誌は、原爆の惨禍から1年後の1946年に広島市で創刊した「ぎんのすず」。48年10月号の掲載で「ありすけとありこ」のタイトルでカラー刷り2ページ。3回連載の2回目とみられ、アリの兄妹が野原で寝ているネコの鼻を草でくすぐるいたずらをし、ネコがくしゃみをし鈴を落としていくところからストーリーが展開する。

 長谷川町子美術館(東京)によると、長谷川さんは当時、福岡から東京に活動拠点を移していた。福岡の地方紙「夕刊フクニチ」でサザエさんの連載を続け、名古屋市や北海道の新聞でもサザエさんを掲載し全国で知られるようになっていた。相澤弘子学芸員は「子ども向けの漫画を描きたいとの願いがかなった雰囲気が作品から伝わってくる」と話している。

 長谷川さんゆかりの品を募集している早良区役所に、うきは市の男性が貸し出した。公開は西南学院大・西南コミュニティーセンターホールで午後1時~同4時半。入場無料。ほかに漫画本やグッズなど約40点も並ぶ。

=2018/10/07付 西日本新聞朝刊=

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