獅子舞2年ぶり奉納へ 豪雨被災の朝倉市山田区 21日、恵蘇八幡宮で本番 [福岡県]

恵蘇八幡宮の獅子舞の練習開始を告げる「小屋入り」で激しい舞を披露する参加者=1日夜、朝倉市山田
恵蘇八幡宮の獅子舞の練習開始を告げる「小屋入り」で激しい舞を披露する参加者=1日夜、朝倉市山田
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2016年9月の神幸祭で舞う山田区の獅子舞(恵蘇八幡宮提供)
2016年9月の神幸祭で舞う山田区の獅子舞(恵蘇八幡宮提供)
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 今月21日に朝倉市山田の恵蘇(えそ)八幡宮で催される秋祭り「神幸祭」で、昨年は九州豪雨のため舞えなかった山田区の獅子舞が2年ぶりに復活する。1日には本番に向け関係者が初めて集まる行事「小屋入り」があった。住民は「元気な姿を見に来てほしい」「地元の人を勇気づけたい」と連日、練習に打ち込でいる。

 恵蘇八幡宮は7世紀に都「朝倉橘広庭宮(たちばなのひろにわのみや)」を近くに置いた斉明天皇と息子の中大兄皇子(天智天皇)にゆかりがあるとされる。

 約400年前から収穫に感謝する神幸祭を開き、山田の恵蘇宿(えそのしゅく)区が優雅な獅子舞を、山田区が荒々しい獅子舞を披露してきた。祭りは市の無形民俗文化財だ。

 昨年7月の九州豪雨では山田区で3人が犠牲に。住宅が全半壊し柿畑が土砂で埋まる被害も出た。昨年は山田区の獅子舞は中止、恵蘇宿区のみが舞った。山田区長の久保山美智男さん(66)は「地元の方が亡くなり、みなし仮設住宅で暮らす人も多かった。土砂や流木も片付かず、獅子舞はできなかった」と振り返る。

 地域は落ち着きを取り戻しつつある。山田区の八幡宮総代の手島美典さん(76)は「獅子舞は伝統ある地域のシンボルなので今年はやることにした」と話す。

 山田公民館であった「小屋入り」には22人が参加。八幡宮の上原実二(みつぐ)宮司(56)が「例年通り獅子舞ができる喜びをかみしめている」とあいさつ。関係者から「お世話になったボランティアに元気な姿を見せたい」との声も出た。

 山田の獅子舞は、雄と雌の獅子が激しくかみつき合い、愛情を確かめる。小屋入りでは、安部正樹さん(39)と、山田出身で筑前町に住む梅野経夫さん(39)が勇壮に舞い、獅子が口を閉じるたびにバン、バンと大きな音が響いた。

 安部さんは「久しぶりで息が上がった。しっかり仕上げて4人の子に見せたい」。梅野さんは「獅子舞は先輩や友人と会えるいい機会」と復活を喜ぶ。

 21日の神幸祭の獅子舞は午後1時20分ごろから。八幡宮から下宮までみこしや毛槍(けやり)が歩く「お下り」もある。

=2018/10/11付 西日本新聞朝刊=

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