悲願の営農再開…イチゴ生産で再出発 豪雨被災の2農家 [福岡県]

新しいハウスの中で営農再開を語る(左から)林浩義さんと妻恵子さん、塚本悟さん
新しいハウスの中で営農再開を語る(左から)林浩義さんと妻恵子さん、塚本悟さん
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 昨年7月の九州豪雨で農地を失った朝倉市の2農家が、イチゴ生産で悲願の営農再開を果たした。同市杷木古賀の塚本悟さん(53)と同市杷木林田の林浩義さん(58)。塚本さんは柿園が被災し、イチゴ栽培に初挑戦する。もともとイチゴ農家だった林さんは施設が全壊したが、再出発にこぎつけた。7日には真新しいハウスを県議が視察、2農家は手を携えて前に進むことを誓った。

 塚本さんは約300アールあった柿園の半分を豪雨で失い、自宅も全壊。さらに避難時に妻の富希子さん(52)がひざを痛めた。途方に暮れていた昨夏、林さんと農協で出会った。「林さんから『イチゴは作ったその年にお金になる』と聞き、わらにもすがる思いで決めた。妻もイチゴなら作れるかもと考えた」。林さんの言葉に背中を押された。

 イチゴ生産歴18年の林さんは、赤谷川沿いにあったハウスなどが倒壊し、農地は土砂に埋まった。「奈落の底に落とされた気分だった」。他業種や果樹農家への転換も考えたが、「やはりイチゴしかない」と再建を目指した。

 幸い2人とも同市杷木古賀に農地が見つかり、県などの支援事業や融資を受けて生産することになった。塚本さんは9月末から、12アールのハウスで栽培をスタート。林さんは一足早く7月、14アールのハウスと5アールの育苗ハウスが完成した。いずれも12月に出荷が始まる見込み。塚本さんは「生産技術はいろんな人から教えてもらうしかないが、努力したい」。林さんも「苦労はしたが、今は仕事ができる喜びがある」と笑顔で語った。

=2018/11/08付 西日本新聞朝刊=

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