朝倉・被災地ツアーに関心 九州豪雨被災住民と家や農地巡る 定員超や追加実施 [福岡県]

体験教訓バスツアーで朝倉市黒川地区を訪れ、犠牲者が出た場所で手を合わせて慰霊する参加者たち=10月28日
体験教訓バスツアーで朝倉市黒川地区を訪れ、犠牲者が出た場所で手を合わせて慰霊する参加者たち=10月28日
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 昨夏の九州豪雨で被害を受けた朝倉市で、被災者らが現地で体験を伝える「体験教訓バスツアー」が関心を呼んでいる。住民らでつくる朝倉グリーンツーリズム協議会(矢野公子会長)が、10月末から計3回のツアーを企画、募集したところ、特に松末(ますえ)地区ツアーは定員(25人)を超え、急きょ12月1日の追加実施が決まった。ツアーとは別に、市外の団体から協議会に6件の被災地案内の依頼があった。

 災害に備える契機にしてほしいと始まったツアーは、3回のうち10月28日に黒川地区、11月13日に松末地区であった。特に松末地区は、川の氾濫で住民が一晩過ごした旧松末小などが「報道で知られたせいか応募が多かった」(協議会)といい、定員を超えたため追加が決まった。

 ツアー参加者は被災者の案内で濁流などに襲われた家や農地を巡り、災害を実感している。

 黒川地区のツアーには福岡市などから16人が訪れ、ナシ園や自宅が土砂に埋まった林利則さん(71)と被災地を歩いた。家屋が次々に流された現場では、林さんが「人の背丈まで土砂が来た」などと説明。犠牲者が出て花が供えられた家屋跡で、全員が手を合わせた。夫婦で参加した福岡市の木村健一さん(76)は「自然の力のすごさ、恐怖、人の無力さが伝わってきた」と語った。

 ツアーのうち11月27日の比良松・山田ツアーと、12月1日の松末地区ツアーは予約を受け付け中。柿狩りも組み入れ、昼食代込みで1人3500円。問い合わせは小嶋観光=0946(23)9080。

 一方、ツアーをきっかけに、福岡市など県内外の10~50人の団体から「バスなどで来るので案内を」との相談が協議会へ6件寄せられた。希望者は計数百人に上り、協議会は来年度までに対応する方針。説明は被災者でなく協議会関係者が行う。原野明彦事務局長は「豪雨被害を風化させないために、今後も受け付けていきたい」と語る。

=2018/11/15付 西日本新聞朝刊=

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