見た目では分からない病もある 白血病と闘う坂本さん(志摩中2年) 作文で実情訴え表彰 [福岡県]

ヘルプカードへの理解を訴える作文を書いた坂本光優さん
ヘルプカードへの理解を訴える作文を書いた坂本光優さん
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 小児急性リンパ性白血病と闘う糸島市立志摩中2年、坂本光優(みゆ)さん(13)が自らの体験をつづった作文を書き、全国中学校人権作文コンテスト県大会の最優秀賞、中央大会の奨励賞に輝いた。周囲に手助けしてほしいことを伝える「ヘルプカード」を知らない人が多い実情を訴え、周知への願いを込めている。

 小学2年の時だった。運動会の練習で転んで痛みが出た。病院で「数日で治る」と言われた。熱はなかなか下がらない。別の病院で血液検査をすると「すぐに大学病院に行きなさい」。白血病と診断された。抗がん剤治療を受け、3年間で完治したはずだった。

 しかし、小学6年で再発する。骨髄移植を受け何とか回復。卒業式に出たいと痛みをこらえながらリハビリを頑張った。自らの足で立って卒業証書を受け取るためだ。式の3日前に退院した。中学に入り、最初は日に1~2時間程度通学していた。

 横断歩道を横断する時、私は走れない(中略)しかし、左折しようとしているドライバーには「ゆっくりと横断している健康な中学生」として見られ、横断をあおられる。私は2回も移植をし、体力も筋力もなく、少し歩いただけで、息切れをし、足が痛いのに。

 当時の体験を作文につづった。中1の10月、再々発した。九州大病院(福岡市東区)で末梢(まっしょう)血幹細胞移植を受けた。院内学級に通い千代中に転校していたが、志摩中に復学した。「同級生と同じスタートラインに立ちたい。体のことも分かってほしい」。今年、夏休みの宿題に取り組んだ。作文も少しずつ書き上げた。母のさやかさん(40)とヘルプカードを特集するNHKの番組を7月に見ていた。カードはさやかさんが持っていたが、詳しい知識はなかった。

 見た目は元気でも、本当は私のように、つらくて、きつい思いをしている人が、気づいてないだけで、たくさんいる。そんな人達を、少しでも分かってあげられる、支えてあげられるヘルプカード。

 「本当の自分の思いをぶつけた」と光優さん。ほとんど外出はできないが、朝の検査結果が良いときだけ少しの外出が認められる。

 志摩中で21日に行われた終業式。作文をスクリーンに上映し、光優さんが朗読する音声が流れた。「もっと世の中の人が知ってくれたら。見た目じゃ分からないけどきつい人がいることを」

=2018/12/22付 西日本新聞朝刊=

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