「朝倉災害FM」28日で終了 被災者に生活情報1年半 緊急情報減少役目終える [福岡県]

「あさくらさいがいエフエム」を受信するラジオ。被災者に生活情報を発信し続けてきた
「あさくらさいがいエフエム」を受信するラジオ。被災者に生活情報を発信し続けてきた
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 昨夏の九州豪雨直後に朝倉市に開設され、被災者らに被害状況や生活情報を約1年半にわたって伝えてきた臨時ラジオ放送局「あさくらさいがいエフエム」(88・7メガヘルツ)が一定の役目を終えたことから、28日の放送を最後に終了する。

 さいがいエフエムは豪雨から16日目の昨年7月21日、市の要望を受け、国が機材提供して杷木地域の「らくゆう館」に開設された。杷木地域で放送されてきた住民自治組織運営「杷木地域コミュニティ放送」の戸別受信機が豪雨で家ごと流され、多くの家庭でコミュニティ放送を聞けなくなった。そんな中、さいがいエフエムが開設。企業や団体から小型ラジオ約千台が、各避難先の被災者らに配られた。

 当初はごみ、給水などの生活情報のほか、被災状況、通行止めなどの告知、罹災(りさい)証明の案内などを市職員が約10分の内容に収録し、毎日繰り返し発信。途中から民間の協力を得て、博多にわかや学校の校歌など「被災者の心を潤わせるものも加えた」(同市)という。

 エフエムは朝倉市外のうきは市や久留米市の一部などもカバー。隣接市町に仮住まいする被災者にも朝倉市の情報を提供する役を担ってきた。ただ緊急の情報が減ったこともあって独自の内容はなくなり、今年6月からは杷木地域コミュニティ放送の番組を発信している。

 全国の他の被災地は臨時放送局を数カ月ほどで終えることが多いが、朝倉市は引き続き大雨被害への備えが必要と判断。国に要請し、さいがいエフエムの放送期間を今年末まで延ばしていた。杷木地域コミュニティ放送管理者の宿里新一さん(59)によると、さいがいエフエムは28日午後0時半から最後の番組が流れ、午後5時、放送終了の告知後、電波が止まる。杷木地域コミュニティ放送は受信機があれば今後も聴くことができる。宿里さんは「特に市外の、みなし仮設の方々らの役に立っていたと思う」と話している。

=2018/12/26付 西日本新聞朝刊=

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