蔵書3万冊、市民に開放 曽田豊二文庫が開館 福岡市 元福大病院長の遺志継ぎ [福岡県]

開館した「曽田豊二文庫」。蔵書について話す安藤文英理事長(右)と曽田さんの妻キミヨさん
開館した「曽田豊二文庫」。蔵書について話す安藤文英理事長(右)と曽田さんの妻キミヨさん
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 福岡大学病院長などを務めた故曽田豊二さん(1925~2017)の約3万冊に及ぶ蔵書を収めた「曽田豊二文庫」が14日、福岡市西区生の松原の西福岡病院そばに開館した。医学書だけでなく自然科学や哲学、歴史、文学と多岐にわたる本がそろい、生前、社会貢献活動に意欲的に取り組んだ曽田さんの遺志を引き継ぎ市民に開放する。

 曽田さんは九州大医学部を卒業後、同大助教授を経て1972年に福大医学部教授=耳鼻咽喉科学=に就任、日本耳鼻咽喉科学会理事長も務めた。九大入学直後に肺結核を発症して長期療養をし、この頃から数学や物理の本を読みふけり、旺盛な読書生活につながっていったという。

 福大退官後、西福岡病院で診療に携わる一方、2003年に福大元教授らと福岡市内に無料の健康相談室を開設。病気予防など市民の相談に乗り、医学研究や医療で得た知識・経験を社会に還元した。

 亡くなる前には市内の自宅で在宅医療を受けていた。見舞いに訪れた西福岡病院の安藤文英理事長は、どの部屋にも山積みにされている膨大な蔵書を見て圧倒されたという。

 曽田さんの死後、安藤理事長は曽田さんの妻キミヨさん(91)から「蔵書を保存したい」との思いを聞き、文庫創設を思い立った。遺産の一部を基金にした記念財団からの助成とキミヨさんの寄付を受け、病院職員の宿舎だった木造2階建て家屋を文庫に改装した。

 14日には開館式典があり、関係者約60人が出席。安藤理事長は「(曽田さんの)生涯を通じた知の旅を感じ取りながら、豊かな教養を身につけてほしい」、キミヨさんは「残された蔵書が地域の人の役に立つと思うとうれしい」と話した。

 開館は午前10時~午後3時。月、火曜日休館。

=2019/01/15付 西日本新聞朝刊=

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