県の啓発ポスターがJAA広告賞 赤みのずれでDV表現 「シンプルでも心に訴え」 [福岡県]

JAA広告賞を受賞した県のDV防止の啓発ポスター
JAA広告賞を受賞した県のDV防止の啓発ポスター
写真を見る

 福岡県のDV防止の啓発ポスターが、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会主催の「第57回JAA広告賞(屋外・交通広告部門)」を受賞した。人物のほおの赤みが一転、アザにも見えるように工夫した絵柄で、「シンプルでも心に訴えてくる」などとインターネット上で評判になった。多くの被害相談が寄せられる中、県は世間の関心の高まりを期待する。

 国のキャンペーン「女性に対する暴力をなくす運動」(11月12~25日)に合わせ、県は毎年ポスターを作成しており、今回の受賞作は2017年にJR九州エージェンシー(福岡市)などが手掛けた。

 ほおを赤らめた人の顔と目尻と口元にアザがある顔が上下に描かれている。同一人物で赤みとアザは同じ赤い丸で表現。赤丸の位置がずれるだけで、幸せな表情が悲しそうに一変する。女性だけでなく男性もDV被害を受けている現状を考慮し、人物は男女どちらとも取れるように描いた。

 DV被害者の支援団体の意見も参考に、「愛情がズレただけ?いいえ、それは暴力です。」「STOP DV」という文言を記し、県所管の相談窓口の連絡先も記載している。

 同広告賞は、一般の人も審査員として関わるのが特色。応募作177点から、有名企業の広告などと並び入賞作12点の一つに選ばれた。本来はポスターは毎秋、新調するが今回の作品は18年秋以降も使用を継続している。

 県男女共同参画推進課によると、県内の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数は、17年度は2558件。過去5年のピークの14年度の3387件より減少しているが、行政以外の相談窓口の増加も影響しており、DV被害の総数は減少しているとは言えないという。同課は「被害者だけでなく、周囲の人もDVへの関心を深め、相談のきっかけにしてほしい」としている。

=2019/01/29付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]