「ツバメ通り」に今年も巣 福岡市中央区・山荘通り [福岡県]

午後7時頃、「ル・アン」の軒下の巣に帰ってきたひなたち
午後7時頃、「ル・アン」の軒下の巣に帰ってきたひなたち
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店の軒下にあるツバメの巣を指す江原聡さん親子。ツバメが帰ってくるのを毎年楽しみにしている
店の軒下にあるツバメの巣を指す江原聡さん親子。ツバメが帰ってくるのを毎年楽しみにしている
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 多くのツバメが飛び交い「ツバメ通り」とも呼ばれる通りが福岡市の中心部にある。中央区の「山荘通り」は初夏、通り沿いの飲食店など10軒ほどの軒下で巣から顔を出すひなたちの姿が見られる。そのうちの一軒、レストラン「ル・アン」に今年もツバメが巣を作った。店主や常連客らはひなが巣立つまで、ツバメの子育てを温かく見守る。

 西鉄平尾駅から徒歩3分。平尾交差点から小笹方面へ向かう山荘通りの電線に、数十メートルにわたってツバメがいた。マンションや飲食店が立ち並び、軒下をツバメが行き来するこの一角を地元の人たちは「ツバメ通り」と呼ぶ。

 「今年も帰ってきたね」。今月初めの夕方、ル・アンの前を通る人たちが立ち止まった。見上げる先には、巣から顔を出すひな4羽。「毎年同じツバメが帰ってきていると思う」とオーナーの江原聡さん(40)は顔をほころばせる。

 店先の巣作りは4年目。ふん害を嫌って障害物を置く人もいる中で、江原さんは「ツバメは商売繁盛のシンボル。ありがたい」と見守る。巣からひなが落ちたのを見つけ、知り合いに脚立を借り、巣に戻したこともある。

 ひなは早朝から飛ぶ練習をし、夕方に戻る。「ただいま」と言うような元気な鳴き声に、常連客とツバメの話題になることも。「元気に育ってほしいけど、巣立つとやはり寂しい」と江原さん。巣立ちは近い。

 日本野鳥の会福岡支部副支部長の田村耕作さん(68)は「福岡都心部でツバメを見る機会は減っている。ツバメとの付き合い方が変わったのが原因の一つ。温かく見守ってくれるのはありがたい」と話す。

=2017/06/22付 西日本新聞朝刊=

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