事業所を一時避難場所に 重機が使える団員も必要 甘木・朝倉消防隊員が体験基に提案 [福岡県]

行方不明者の捜索を行う甘木・朝倉消防本部の消防隊員ら=2017年7月8日、朝倉市杷木松末
行方不明者の捜索を行う甘木・朝倉消防本部の消防隊員ら=2017年7月8日、朝倉市杷木松末
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 昨年7月の九州豪雨。被災した朝倉市と東峰村を管轄する甘木・朝倉消防本部(朝倉市)の全隊員は大雨の中、逃げ遅れた人々を救助し、不明者の捜索をした。広大な被災地を前に消防力の限界を感じた。川の氾濫で消防車が流され、九死に一生を得た隊員もいた。消防本部であった職員意見発表会で、職員6人が実体験を基に「災害に負けない安全なまち」の具体的な提案を行った。

 あの日、朝倉市で住民避難の誘導中、腰まで濁流に漬かった山口泉稀(みずき)消防士(22)は、このまま誘導を続けるのは難しいと感じた。すると1階は浸水しながらも2階に上れる事業所が近くにあった。上司の判断で、ここに住民を避難させ、命を守った。

 「提案します。各事業所の消防計画の中に任意で『一時避難場所』としての利用を加えるのです」

 自治体が指定する指定避難所(一定期間避難生活ができる小中学校やコミュニティーセンターなど)は必ずしも近くにあるとは限らない。移動することが危険な場合、一時避難場所(一時的に身を守るために避難する場所)が有効だと身をもって感じたからだ。現状は公民館など公的施設ばかりだが、数も多い民間も含めた事業所を一時避難場所に、という提案だ。

 消防法が事業所に定めている消防計画は火災対策のためで、この枠を広げようとの主張。さらに一時避難場所となった事業所には「子ども110番の家」のようなステッカーを張り、日頃から認知してもらうアイデアも披露した。

 「私は『ハイパー消防団員制度』を提案します」

 発表したのは近藤和樹消防士(26)。業者の操作で重機を使って行方不明者を捜索する場合、消防隊員が立ち会っており、多くの人員が必要だった。そこで、重機操作や行方不明者捜索もできる「ハイパー消防団員」を養成し、より効率的に捜索活動を行いたいとの提案だ。

 発表会は2月20日にあり、他にもスマートフォンに「救命アプリ」を入れ、緊急時に救命法の案内や119番通報する機能を持たせるなどの提案があった。

=2018/03/07付 西日本新聞朝刊=

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