休刊ミニコミ紙の記憶を後世に 「西日本新聞タウン情報」 博多区の新田さんら「復刻版」出版を計画 [福岡県]

昔の「西日本新聞タウン情報」を広げ、思い出を語る新田快夫さん
昔の「西日本新聞タウン情報」を広げ、思い出を語る新田快夫さん
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 福岡市博多区の地域情報を発信し続け、昨年10月に33年余の歴史に幕を下ろした週刊ミニコミ紙「西日本新聞タウン情報」の存在を後世に残そうと、元西日本新聞エリアセンター比恵所長の新田快夫(しんたやすお)さん(69)=同区山王=らが、創刊号から最終号までを収録した「復刻版」出版を計画している。実現には制作費のスポンサー確保や散逸した平成初期4年分の紙面探しなどハードルもあるが、新田さんは「人々の記憶にぬくもりがあるうちに具体化させたい」と決意は固い。

 「タウン情報」は新田さんら同区比恵と住吉の西日本新聞販売店2店などが連携し「地域の歴史や暮らしの情報を伝えたい」と1984年3月1日に創刊。1枚紙の裏表2ページ構成で、昨年10月27日の1757号まで毎週金曜の西日本新聞朝刊と一緒に配達され、新聞には載らないような小さな行事や話題の人、地域活動などを取り上げてきた。

 「最初は取材に行くと新聞セールスと勘違いされて追い返されることもあった」と新田さん。地域で存在が認められるにつれ「どうぞ」と歓迎されるようになった。学校が荒れた時代には「取材された子どもたちが自信を持ち、生活態度が良くなった」と感謝されたこともあったという。

 当初は比恵、住吉の両地区だけだった配布エリアも広がり、冷泉などの博多部、堅粕や吉塚などまで拡大。域内の古い石碑などを地元の人が解説するコラム「横丁風土記」は歴史好き注目のコーナーとなった。だが厳しい経営状況が続く新聞販売店主導による発行は限界に。今も「無くなって残念」という声が届くだけに、「地域貢献してきた歴史を埋没させたくない」と考えるようになり、復刻版を思い立ったという。

 計画では、復刻版はB4判で1冊200ページ。歴代紙面の大半は現物や原版が残るが、302号(89年12月8日)から516号(94年1月14日)までが欠落しているため、現状では全7~8巻となる見込み。4月中にも有志による制作委員会を立ち上げ、30セット程度を制作し、博多区役所や地元の小中学校、公民館などに贈呈したい考えだ。

 新田さんは「地元の人なら何時間でも思い出話が尽きない内容。欠落した紙面を持っている人は知らせてほしい」と呼び掛けている。

=2018/03/08付 西日本新聞朝刊=

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