高齢化進む福津市の東福間団地 買い物弱者を住民が調査 課題を地域で共有、支援策探る [福岡県]

福津市の東福間団地を歩いて調査する住民たち
福津市の東福間団地を歩いて調査する住民たち
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 少子高齢化が進む東福間団地(福津市)の住民たちが今月、団地内の高齢者を訪ね歩き、買い物や通院といった「高齢者の足」に関する実態調査を実施した。団地内の唯一のスーパーが2年前に閉店後、買い物に困る住民は多く、調査結果を基に市内各地で福祉に携わる人たちと、どんな支援ができるか知恵を出し合うという。「住みやすい地域づくりへ、自分たちで始めよう」。そんな思いで行動する住民たちを取材した。

 「わあ久しぶりね、お元気?」。3月初めの朝、調査に歩く金本加代子さん(70)と森山治美さん(76)が団地内で、1人暮らしの80代の高齢女性に笑顔で声を掛けた。元々、地域の福祉活動を通じて顔なじみ。アンケート以外にも、趣味や孫の話に花を咲かせた。金本さんは「調査は、閉じこもりがちな高齢者と話をするきっかけにもなった」と話した。

 昭和40年代に開発が始まった東福間団地は、丘陵地を切り開いた坂の街で、集合住宅と一戸建てが混在。高齢化率は最も高い東福間9区で53・5%に達する(市平均は27・9%)。

 団地内の商店は減り、最も近い量販店まで徒歩約20分。農産物直売所「あんずの里市」(同市勝浦)が週1回、スーパーの空き店舗で出張販売を続けているが、生活雑貨などは団地外に買いに行くしかない。

   ◇    ◇

 調査は、市から委託を受けた市社会福祉協議会(社協)の事業だが、そもそもの発案は住民たちだ。

 福津市では一昨年、各地区で活動していたボランティア団体、自治会、福祉サービス事業者、行政などのメンバーが定期的に集まり、同様の取り組みをする他地区の団体と情報交換をする「協議体」ができた。「高齢者の足」などは、どの地区にも共通の課題で、実態調査の実施は協議体で持ち上がり、調査地域を潜在的な買い物難民が多い東福間団地とすることも協議体で決め、実際の調査も協議体メンバーたちが行った。

 結果は集計中だが、高齢者には他人に迷惑を掛けたくないとの思いが強く、買い物などは(1)遠くても徒歩で行く(2)車が手放せず免許が返納できない-といった声が多くみられたという。

 一方、自家用車で買い物などの移送支援を始めている事例も、協議体の会合で報告されている。同市宮司浜で軽トラを使ったごみ出し支援などを行う清水民樹さん(65)は「手探りの取り組みを報告し合うことで、うちの地域でもやってみようと参加者が意欲的になってきた」と話す。

 市社協総務課長の浅井あかねさん(46)は「調査結果を協議体で共有し、共通課題として支援策を探りたい」と期待している。

=2018/03/16付 西日本新聞朝刊=

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