ハザードマップ、知恵絞る自治体 外国人向けに4カ国語 被災後の非常食レシピ [福岡県]

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福岡市中央区の浸水ハザードマップ。避難の心得や緊急時の連絡先なども載っている
福岡市中央区の浸水ハザードマップ。避難の心得や緊急時の連絡先なども載っている
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 ハザードマップ(防災マップ)は、自然災害による被災の想定区域や避難場所、避難経路などを色分けして記した地図のこと。ハード整備による防災には限界があるため、避難を促すことで住民の命を守るのが目的だ。大雨による洪水・浸水や土砂災害といった風水害、地震や津波など、災害の種類によって分けて作っている自治体もある。

 大雨に関しては、2006年に国土交通省が「水害ハザードマップ作成の手引き」を公表。分かりやすく伝えるためのイラストのサンプルや完成イメージ、周知方法などを示している。

 浸水想定区域や避難場所、避難情報の伝達方法、気象情報の入手の仕方など6項目について、記載が必要と思われる「共通項目」に位置づけているが、マップに何をどのように掲載するかは作成者が「住民目線」で判断して記載するように促している。福岡都市圏の20市町村も作成済みだ。

 不断の見直しも必要とされる。国交省は16年に「手引き」を改定し、屋内の高い階に身を寄せるだけでは命を守れない区域を「早期立ち退き避難が必要な区域」として明記することや、水害の地域特性を十分に分析することを求めている。いずれも、避難行動により直結したハザードマップにするためだ。

 ハザードマップは役場などで配布されているほか、国交省はスマートフォンやパソコンで簡単にわが町のハザードマップが確認できるポータルサイトを整備している。

    ◇      ◇

 温暖化などにより大雨の降る頻度が増える中、福岡都市圏の自治体では、一工夫を加えた防災マップやハンドブックを作る動きが広がっている。

■粕屋町

 「周囲にある高所には避難しやすいが、地下からの湧水で道路冠水する場所が多数ある」「避難所の公民館は狭く、周辺に水がたまりやすい」

 粕屋町の防災マップには、小学校区よりも細かい行政区ごとの地理的特徴や、避難する際の注意事項が書き込まれている。「住民目線の“生きた”情報を掲載しないと役立たない」と、校区の自主防災組織が中心となり作成した。町の担当者は「冠水場所などは行政が正確につかめないので貴重」と話す。主な避難所の写真も載せ、施設を使わない人も分かるようにした。

■宗像市

 英中韓とスペイン語の4カ国語を併記した防災マップを作ったのは宗像市。昨年7月に沖ノ島などが世界文化遺産に登録され、外国人観光客が増えているのがきっかけ。避難所や避難場所の説明を添え、地図に落とし込んでいるのが特徴だ。県も6カ国語の防災ハンドブックを作っているが、地図情報はなし。市の当時の担当者は「土地勘がない観光客にとって、地図は大事と考えた」。

■糸島、福岡両市

 糸島市は、電気やガス、水道が止まっても作れるみそ汁やサラダ、パスタなどの非常食レシピが載ったハンドブックをホームページで公開。「子どもが通う保育園の避難場所を確認しておこう」など鋭い指摘もある。福岡市のハンドブックは、水のいらないシャンプーや冷え対策のカイロなど、女性被災者に聞いた役立つ防災グッズを掲載。備蓄に適した食材も紹介している。

=2018/06/06付 西日本新聞朝刊=

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