2度被災、戻った地蔵さん 1度目は筑後川大水害、2度目は九州豪雨 [福岡県]

宮園集落のお堂から流れたお地蔵さんと、確認した女性たち
宮園集落のお堂から流れたお地蔵さんと、確認した女性たち
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 昨年7月の九州豪雨で濁流に流され、直後に朝倉市黒川地区を流れる黒川の最下流で見つかった木製のお地蔵さんが13日、約5キロ上流のお堂ごと流された1体であることが分かった。1953年の筑後川大水害でも被災。2回とも居場所を失いながらも住民の元に戻ってきた。これからも地域を守り続ける。

 木製地蔵は高さ33センチ。昨年7月中旬、黒川地区にある美術館「共星の里」のアートディレクター柳和暢さん(71)が流木に埋もれているのを見つけ、美術館に持ち帰った。頭に穴が開き、手も失っており「どこから流れてきたかも分からなかった」(柳さん)。大分県に住む知人の仏師が昨年夏から無償で修復してくれて今年6月末、美術館に戻ってきていた。

 地蔵発見後、宮園集落のお堂が流されたことを耳にした柳さん。13日、美術館に呼んだ集落の住民ら4人が、長年拝んできた見慣れた地蔵であると確認した。

 集落の薙野富江さん(86)によると、地蔵は江戸期に作られ、集落内の夫の家にあったが、筑後川大水害で家が土砂崩れに遭って損壊。地蔵は見つかり、お堂に移されたという。

 地蔵と対面した集落の宮崎幹子さん(69)は「優しいお顔は以前と同じ」と再会にほっとした表情だった。今後、集落内に再び安置する予定という。

=2018/07/14付 西日本新聞朝刊=

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