武者絵大灯籠、雨でもOK ビニール防備型を新たに製作 博多の「大浜流灌頂」24日から [福岡県]

ビニールで雨対策が施された大浜流灌頂の大灯籠の絵と片岡良二さん
ビニールで雨対策が施された大浜流灌頂の大灯籠の絵と片岡良二さん
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海老崎雪渓の武者絵が張り込まれた従来型の大灯籠=2016年8月
海老崎雪渓の武者絵が張り込まれた従来型の大灯籠=2016年8月
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 晩夏の博多を彩る夜祭り「大浜流灌頂(ながれかんじょう)」(8月24~26日、福岡市博多区大博町)に“新兵器”が登場する。県有形民俗文化財のため、小雨がパラつくだけで撤去していた名物、武者絵の大灯籠の雨対策として、ビニールケースで完全防備した「全天候タイプ」の大灯籠1基を新たに製作。従来型の灯籠と合わせ4基態勢で祭りを迎える計画で、主催する大浜流灌頂継承保存会(松崎常雄会長)は「少々の雨でも灯籠見物を楽しめる」と来場を呼び掛けている。

 大浜流灌頂は、江戸中期に博多湾で起きた暴風雨や疫病の犠牲者を弔うために始まった伝統行事。大博通り近くの「流灌頂通り」を中心に歩行者天国となった一帯には、焼き鳥や金魚すくいなどの露店が並び、家族連れなどでにぎわう。

 とりわけ人気なのが博多最後の絵師・海老崎雪渓(えびざきせっけい)らの手による巨大な武者絵の大灯籠。夜の街角に浮かぶ妖怪退治や合戦のおどろおどろしい画風が怪しい雰囲気を醸し出す。

 現存する十数点のうち、雪渓作の9点は県有形民俗文化財。その他の作者不詳の絵も、他では見られない貴重な作品のため雨にぬらすわけにはいかず、ここ数年は悪天候で掲示を見送るケースが続出。夕方の開始直後にポツリと雨粒が落ちたため、わずか数分で撤去し、後から訪れた見物客を落胆させたこともあった。

 新しい灯籠は横4・7メートル、縦1・6メートルほどのビニールケースに入れた2枚の武者絵で木枠を挟み込んだパネルタイプで、当面は雪渓以外の絵を使う。中にランプの入った箱形の枠に武者絵を直接張り込んだ従来型と異なり、LEDのスポットライトで外から照らす。

 大博通りに面した会場入り口付近に設置予定で、保存会役員の片岡良二さん(60)は「効果が実証されれば、他の灯籠も同タイプにしたい」と話している。

=2018/08/10付 西日本新聞朝刊=

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