「許せない」ケヤキ伐採、住民が反対 道路工事中断する事態に 福岡市南区 [福岡県]

伐採予定のケヤキの前に立つ吉村正雅さん
伐採予定のケヤキの前に立つ吉村正雅さん
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 福岡市南区長住の市道改良工事に合わせ、市が歩道のケヤキの伐採を始めたところ、一部住民の反対を受け、5日から工事が中断する事態になっている。ケヤキは約20年前、市の商店街再生事業で、商店街の代表や市幹部らが活性化策を協議し植えたものだった。反対住民の一人は「歴史的経緯もあり、伐採は許せない」と話している。

 改良工事をしているのは南区長住2、3丁目の「市道長丘皿山線」。工事区間は長住3丁目交差点から南へ約150メートル。工期は来年1月までで、路線バスの遅れや渋滞を防ぐため、片側1車線の交差点に右折レーンを新設する。

 車道拡幅が必要で、道路脇の歩道の幅を1・2メートルずつ削ることになり、約60本のケヤキのうち13本が伐採対象になった。5日に工事が始まったが、3本を伐採したところで反対住民が抗議したため、市は工事を中断している。

 工事を担当する南区役所地域整備課によると、1年2カ月前から、地元の「サンクローバー長住長丘商店街」や、歩道の花壇の世話をしてきた市民団体「長住みんなの街を美しく」、自治協議会などに工事の概要を説明してきたという。同課は「団体としての反対はなく、工事の了承を得た」と説明するが、商店街や住民の一部には根強い反対の声がある。

 家具店を経営する吉村正雅さん(70)はケヤキの植栽を決めた協議で代表を務めた。「ケヤキだけでなく歩道をれんが敷きにして花壇を作った。おしゃれな水銀灯も設置した」と振り返る。地域整備課から説明は受けたが「そんな歴史があるのに、立派に育ったケヤキを伐採することは耐えられない。市道は渋滞しておらず工事は必要ない」と納得しない。近くの長住団地の住民などからも反対の声が聞かれた。

 一方で、「市は工事の説明をしており、ケヤキや花壇にも配慮している」と理解を示す商店主もいる。地域整備課は「13本のケヤキは移植すると枯れる恐れがあり伐採する。代わりに9本のケヤキを新たに植えるし、花壇も作り直す」と説明する。

 吉村さんは6日、伐採予定のケヤキに「切られます 助けてください」と書いた板を取り付けたが、7日朝に確認するとなくなっていたという。地域整備課は「できるだけ早く工事を再開したい」と話している。

=2018/09/08付 西日本新聞朝刊=

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