博多陥没2年、トンネル掘削へ準備進む 福岡市長選、当時の対応も争点 [福岡県]

2年前に道路が陥没した現場では、地盤改良の効果を確認するボーリング作業が進んでいる(奥はJR博多駅)=6日午後、福岡市博多区
2年前に道路が陥没した現場では、地盤改良の効果を確認するボーリング作業が進んでいる(奥はJR博多駅)=6日午後、福岡市博多区
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 福岡市のJR博多駅前で2016年11月に発生した大規模な道路陥没事故から8日で2年。現場では、原因となった市営地下鉄七隈線延伸工事のトンネルの再掘削に向けて準備作業が進むが、18日投開票の市長選では、3選を目指す現職と新人の無所属2人が当時の対応を巡り主張が真っ向から対立している。

 6日午後、崩落現場では上下5車線のうち3車線を規制して設けられたボーリングマシンがドリルを地中に打ち込み、地盤改良の効果を確かめていた。3人の作業員が様子を見守るが、通行人の大半は気にも留めない。事故は地盤が想定以上にもろいことなどが要因とされ、市などは地中に固化剤を注入するなどして一帯の地盤を強化。効果を確認し次第、年明けからトンネル内の水抜き作業などに入り、来夏にも再掘削を始める予定で、市交通局建設課は「今のところ作業は順調」としている。

 七隈線は天神南駅から博多駅まで1・4キロ延伸する計画。事故の影響により、延伸開業は20年度から22年度にずれ込み、事業費は49億円追加されるなどして587億円に膨らむ見通しで、今回の市長選では争点の一つ。

 「想像もできなかったピンチだった」。現職の高島宗一郎氏(44)は告示日の4日、第一声で事故を振り返った。発生から1週間で陥没を埋め戻した実績を踏まえ高島氏は「『オール福岡』で危機を乗り越えた。大きな困難もみんなで力を合わせて乗り越えていく」と強調した。

 一方、新人の神谷貴行氏(48)=共産推薦=は10月の出馬表明会見で「早く直してヒーローみたいになっている。魔法にかけられたんじゃないか」と主張。公約の一つに「市として組織体質・文化の点で問題がなかったか、検証する第三者委員会をつくる」ことを掲げている。

 博多駅から空港線で天神駅へ向かい、七隈線の天神南駅に乗り換え通学している福岡大工学部1年の男子学生(18)は当初計画なら4年の時、延伸区間を利用できるはずだった。「便利になると喜んでいたのに。あんな恐ろしい事故が二度と起きないよう安全を徹底してほしい」と求めた。

 ◆JR博多駅前の道路陥没事故 2016年11月8日早朝、福岡市のJR博多駅前で道路が幅27メートル、長さ30メートル、深さ15メートルにわたり陥没。死傷者はなかった。現場は市が発注し、大成建設などの共同企業体(JV)が受注した市営地下鉄七隈線延伸工事区間。

 国の第三者委員会は昨年3月、地下水対策の不十分さや地盤が想定以上にもろかったことなどを事故要因とする報告書をまとめた。

=2018/11/08付 西日本新聞朝刊=

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