福岡マラソン 亡き教授に届ける“笑顔のラン” 教え子ら20人「ゆっくり完走」 [福岡県]

田中宏暁名誉教授
田中宏暁名誉教授
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福岡マラソンを完走し笑顔を見せる二又一人さん(左)=11日、福岡県糸島市
福岡マラソンを完走し笑顔を見せる二又一人さん(左)=11日、福岡県糸島市
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 老若男女の市民ランナーが健脚を競った11日の福岡マラソンには、福岡ニコニコ走ろう会(福岡市)の会員約20人も参加した。スロージョギング提唱者で今年4月に亡くなった福岡大名誉教授の田中宏暁さん=享年70=が主宰したマラソン講座の教え子たち。心地よい秋風を背にフルマラソンのコースを走り抜け、今は亡き田中さんに“笑顔のラン”を届けた。

 同会の二又一人会長(71)=同市城南区=によると、田中さんは、笑顔で会話ができる程度の「ニコニコペース」でゆっくり走るスロージョギングの普及に努めた。現在のマラソンブームに火を付けた一人とされるが、今年4月に70歳で亡くなった。二又さんが田中さんの講座を受けたのは15年ほど前。ホノルルマラソン完走を目標に、健康科学の知識やかかとではなく指の付け根あたりで着地する走り方を学んだ。講座が終わった後も、受講生有志で楽しく走れる場をつくろうと会を設立した。

 会では土日祝日の朝に大濠公園(同市中央区)などで約10キロ走る。会員は30~80代の約100人まで増え、各地の市民マラソンに参加している。田中さんは顧問を務め、時折様子をうかがいに来ていたという。副会長の竹尾まき子さん(64)=同市中央区=は「講座を受けてフルマラソンが走れるようになり、仲間もできた」と感謝し、二又さんは「80歳まで一緒に走りたかった」と残念がる。

 福岡マラソン初出場の二又さんは走ろう会の赤いシャツを着て参加。参加しなかった沿道の会員からも大きな声援を受け、手でタッチを交わして楽しんだ。途中、歩いたりしながら、目標の6時間から少し遅れてフィニッシュした。完走証明書を手に「終盤は田中先生の教え通り歩くような速さで走りました。これからも楽しく続けたい」とほほ笑んだ。

=2018/11/13付 西日本新聞朝刊=

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