世相や文化を映す「変わり種」カレンダー [福岡県]

雑貨店の店頭に並ぶ「変わり種」カレンダー。表紙をめくると、実用性やアイデア、ユーモアがあふれるコンテンツが詰まっている=福岡市・天神の雑貨館インキューブ天神店
雑貨店の店頭に並ぶ「変わり種」カレンダー。表紙をめくると、実用性やアイデア、ユーモアがあふれるコンテンツが詰まっている=福岡市・天神の雑貨館インキューブ天神店
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暦だけのシンプルなカレンダーに交じって陳列されている「トイレのらくがきカレンダー」。今年商品化された背景には共働き夫婦の増加傾向があるといい、社会性の高いカレンダーといえそうだ
暦だけのシンプルなカレンダーに交じって陳列されている「トイレのらくがきカレンダー」。今年商品化された背景には共働き夫婦の増加傾向があるといい、社会性の高いカレンダーといえそうだ
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受験の合格祈願、俳句づくり、自分らしさを促すメッセージ…。年が変わっても使えそうな「万年カレンダー」も陳列されている
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カレンダー売り場には、組み立て式の「貯金箱」型も。毎日こつこつとお金をため、海外旅行などの資金づくりに役立てるという=福岡市・天神の雑貨館インキューブ天神店
カレンダー売り場には、組み立て式の「貯金箱」型も。毎日こつこつとお金をため、海外旅行などの資金づくりに役立てるという=福岡市・天神の雑貨館インキューブ天神店
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 はや年末。福岡市・天神の雑貨店で新年のカレンダーを物色していると、目移りしてしまった。暦だけのシンプルな卓上型を探していたのだが、売り場には暦に限らず、さまざまな機能を備えた「変わり種」も豊富に並ぶ。見本品を一つ一つ手に取ると、どれもなかなか面白い。

 足が止まったのは、日めくり式(2~3日めくりを含む)のコーナーだった。日ごとに何かが学べるような仕掛けになったものが多い。通販サイトなどで公表されている商品説明を参考に、内容の一部を紹介すると―。

 まずは「日本語の常識」。何げなく使う言葉の正しい意味や由来、使い方などを解説する「教養」系だ。例えば「喧喧囂囂(けんけんごうごう)・侃侃諤諤(かんかんがくがく)」。喧喧囂囂は「口やかましく騒ぎ立てるさま」で、侃侃諤諤は「正論を吐いて屈しないさま」であることを説明している。末尾には「『喧喧諤諤(けんけんがくがく)』という言葉はない」との文字が躍る。

 案内してくれた雑貨店の男性スタッフ(23)に「間違いだと知らず、うっかり使っていたかも。勉強になります」と言われ、うなずいてしまった。彼は当初、この商品はインバウンド(訪日外国人)向けだと思っていたらしいが、「日本人こそちゃんと学ぶべきですね。活字離れも言われるし」とつぶやく。

 教養型は盛りだくさんだ。ことわざ、四字熟語、英会話―。近年の雑学やクイズブームを受け「雑学王!」「脳力UP」「難読漢字」…といった商品も並ぶ。「1週間のはじまりはなぜ日曜日なのか」「ニシンの卵は『ニシンコ』ではなく、なぜ『カズノコ』なのか」―。1日1問ずつマスターし、会話にうまく生かせれば、職場などで一目置かれる存在になれるかもしれない。

 「御教訓カレンダー」というものもある。ローマ皇帝や戦国武将、アインシュタインあたりの偉人の格言かと思いきや、現代日本の一般人が考えた言葉だ。例えば「月火水、木琴どう?」「ご機嫌7名」―。言葉を少しだけいじり、全く違う意味に仕立てる言葉遊びなのだ。ナンセンスギャグかと思って笑えるが、実はこちら、40年近い歴史を誇るロングセラーだという。

 サブカルチャーの発信地だった東京・渋谷で1975年に生まれたタウン誌の人気企画をルーツに、80年に初登場した。作品は全国公募し、サブカル好きな著名人らが審査。2019年版は約4万7千点が集まり、大ヒット漫画「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさんらが約120点を選んだ。製作背景だけでも「へぇ」を連発してしまう。

 月めくり式では「トイレのらくがきカレンダー」という商品が目に留まった。厚生労働省の統計によると、近年は共働き世帯が増加傾向にあり、2017年は約1188万世帯。「子育て世帯の共働きで心配なのは、親子の対話。家族全員が必ず使うトイレでコミュニケーションを深めてほしい」。こんな思いを込め、今年発売されたそうだ。

 世相や文化を映して変化するカレンダー。雑貨店に聞くと、売れ筋は暦だけのシンプルな壁掛けや卓上型だが、使い慣れたシンプル系をメインに、変わり種をサブとして購入する人も多いらしい。私も卓上型を購入したが、家族でケンケンガクガクと、いやカンカンガクガクと話し合い、1年間楽しく使えそうなサブを物色してみるか。

=2018/12/09 西日本新聞=

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