ボクシング元世界王者・鬼塚さんが自画像展 博多区のジム 弱さも見つめキャンバスに [福岡県]

会場に設置されているリングの中に置かれた絵の前でポーズを決める鬼塚勝也さん
会場に設置されているリングの中に置かれた絵の前でポーズを決める鬼塚勝也さん
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「ボクシングと絵は自分の人生そのもの」という思いで描かれた「LIFE」の文字
「ボクシングと絵は自分の人生そのもの」という思いで描かれた「LIFE」の文字
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 ボクシングの元WBA世界王者、鬼塚勝也さん(48)が描く自画像約100点を展示した「ファイティングアート展」が16日、福岡市博多区のボクシングジムで始まった。初日は約250人が訪れ、生命力みなぎる自画像を前に多くの人が圧倒されていた。

 絵は自分の人生そのものだ-。鬼塚さんは真っ赤な背景に「ライフ」と描かれた絵の横でそう語った。

 鬼塚さんは1992年、スーパーフライ級の王座を奪取。「強くなりたい」の一心でボクシングに打ち込んだが、世界一になっても「心は満足できなかった」という。本当の強さとは何か。引退後に始めた絵を通して、終わりのない問いと今も対峙(たいじ)している。

 自画像の多くは、緑や青などの色がついた背景に、白のキャラクターが描かれる。恐れ、不安、迷い…。浮かべる複雑な表情は、鬼塚さんが己の弱さや欠点を見つめた上で、強さへの答えを探し出そうと、あがき続けた足跡のようにも見える。

 8年前、初めての個展を機に毎日デッサンを続け、何万枚も描いてきた。今では「本当の強さは戦わないことかもしれない」とも感じる。鬼塚さんは「強さの定義よりも、今は生命のエネルギーを伝えたい」と熱く語る。

 福岡市の只松雄一さん(49)は「絵でしか表現できないような感情が伝わってくる。どこからインスピレーションを受けているのか」と話し、一枚一枚に食い入るように見入っていた。

 「ファイティングアート展」は博多区中呉服町の「スパンキーK セークリッド ボクシングホール」で23日まで。入場は千円。ファイティングアート事務局=092(263)3508。

=2018/12/17付 西日本新聞朝刊=

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