元アイドル、今は“屋台の歌姫”に 口コミで客定着 天神 [福岡県]

屋台で歌う桜愛美さん=昨年12月
屋台で歌う桜愛美さん=昨年12月
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 とっぷり日が暮れた福岡市・天神。立ち並ぶ屋台の一つから、ギターの音色とともに伸びやかで柔らかな歌声が街に響く。10人ほどの客に囲まれ、オリジナル曲のライブを披露しているのは、シンガー・ソングライターの桜愛美(さくらまなみ)さん(22)。“屋台の歌姫”は昨春まで、福岡を拠点に活動する女性アイドルグループ「LinQ(リンク)」のメンバーだった。

 桜さんが毎月1回登場する屋台は、西鉄福岡(天神)駅近くにある「なかちゃん」(店主・中川陽一さん)。アットホームな空間で、約30分間にわたり数曲を奏でている。

 2011年から所属し、活躍したLinQを昨年3月に卒業した桜さん。もともと志望していたソロシンガーとしての道に挑み、これまでに50曲以上を制作してきた。ただ、アイドル時代のように定期的なステージや公演がないことが悩みで、歌声を直に届ける「場」を探し求めていた。

 目を付けたのが福岡名物の屋台。「お客さんとの距離も近く、フレンドリーな場所。通行人の耳にも届くかなと思って」。知人が行きつけの「なかちゃん」に相談を持ち掛けたところ、「面白そうだね」と快諾を得られ、昨年6月から屋台ライブを始めた。

 当初は客が集まらない日もあったが、次第に口コミで定着し、今では歌声に誘われて通りすがりにのれんをくぐる客の姿も。

 桜さんは「お客さんに囲まれる屋台は小さな『円形劇場』のよう。普段のライブとは客層も反応も違い、毎回新しい出会いがあって新鮮です」。つかみつつある確かな手応えを、生活に溶け込むようなオリジナル曲づくりに生かしたいと笑顔を見せる。「いつか屋台ライブの経験を歌にするかもしれませんね」

 次回のライブは、18日午後6時半から。天候などで変更になることもある。観覧自体は無料だが、ライブ中は飲み物と食べ物それぞれ1品セットのみの販売となる。問い合わせは、ジョブ・ネット=092(406)7100。

=2019/01/10付 西日本新聞朝刊=

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