地域ぐるみで買い物支援 出前販売、青空市、送迎…多彩に 福津市 [福岡県]

地元産の新鮮な野菜に毎回、行列ができる「あんずの里市」の出前販売
地元産の新鮮な野菜に毎回、行列ができる「あんずの里市」の出前販売
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買い物に来たイオンモール福津の一室を借り、健康体操をする高齢者たち
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 スーパーなどが家の近くになく車も持っていない「買い物弱者」を支援する動きが、福津市で広がりを見せている。生産者直売所の出前販売、住民たちが品物を持ち寄る青空市、車での送迎活動…。「買い物支援」には高齢者の引きこもりを予防する効果もあるとされ、住民主体の取り組みの行方が注目されそうだ。

 16日午前11時。福津市東福間のスーパー店舗跡地に、買い物用カートを携えた住民約30人が集まった。同市勝浦の生産者直売所「あんずの里市」が毎週水曜に開く出前市には、地元産の新鮮な野菜や果物、卵、豆腐などがずらりと並ぶ。

 この出前販売は3年前、スーパーが閉店して買い物に困っているとの声に応える形で始まった。「やっぱり、野菜は自分の目で見て選びたいもんね」。住民たちはおしゃべりを楽しみながら、旬のカリフラワーや白菜、パール柑などを思い思いに品定めしていった。

 住民同士による青空市の挑戦もある。西福間の住宅団地・緑町では昨年暮れ、家庭菜園をしている住民が中心となって青空市を催した。自分たちの育てた野菜に加え、農家を回って品数を増やし餅や海産物もそろえた。青空市は盛況で、久しぶりに顔を合わせた高齢者同士が世間話で盛り上がる光景も。企画した一人は「買い物支援には、高齢者の外出を促す効果があると実感した。どんな商品が必要かニーズを見極めて、次回も開きたい」。

 商業ベースと異なり、あくまで地域の支え合いの場である青空市の継続には難しさもあるが、例えば若木台のように、住民自治組織「郷づくり」による毎週日曜朝の定期市が8年間続いているケースもある。

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 昨年11月からは、「買い物弱者」になりやすい高齢者を商業施設に送迎する事業も始まった。福津市社会福祉協議会が自治会などの登録団体に車を貸し出し、安全運転と介助の講習を事前に受けた住民がドライバーを務める。

 これとは別に、「イオンモール福津」への買い物ツアーも実施された。住民同士で参加者を募り、福祉事業者がマイクロバスで送迎するというもの。同施設ではホールを借りて介護予防体操など健康講座で学んだ後、買い物を楽しんだ。

 福津市では、各地で高齢者支援に取り組んでいる住民、介護職員、民間事業者が一堂に集まる「協議体」が開催されており、ここでの情報交換がさまざまな支援の具体化につながっているという。

=2019/01/17付 西日本新聞朝刊=

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